携帯電話・スマートフォンで時間が確かめられるとはいえ、未だ仕事ではつけることがマナーとなっている腕時計。
大学生が就職活動をする際にも学校から指導があるほど、社会人として当たり前の所持品となっています。
ビジネスマナーとしては、華美ではないシンプルな腕時計が望ましいとされていますが、お通夜やご葬儀の際はどうなるのでしょうか。
日程が平日での開式だと、仕事帰りに弔問に行くというケースも十分ありますので、気になられている方もいらっしゃると思います。
今回は、お通夜・ご葬儀における腕時計に焦点を当てて書いていきたいと思います。
目次
【お通夜や葬儀でしてはいけない腕時計とは?】
まず第一に、「華美なもの」が良くないとされています。
やはりお通夜・ご葬儀という喪に服する場面において、ファッションのアピールは必要ないので、派手なアクセサリーは腕時計に限らずNGとなっています。
例えば「色が鮮やかなもの」とか「光りもの」、「デジタルの文字盤」、「カレンダー機能付き」のものは、葬儀の場ではふさわしくないものとなっています。
※ワンポイント※
ただし「光りもの」に関して、銀色の時計については、大衆に広く普及している点から例外的に許容されています。
第二に、お通夜・ご葬儀というのがフォーマルな場であるという点から、礼装と合わせても不自然ではない時計が望ましいものです。
もっと具体的に言えば、「見た目が安っぽいもの」「みずぼらしいもの」「汚れているもの」などが避けるべき時計となります。
【お通夜や葬儀で革ベルトの腕時計はマナー違反?】
よく言われるのが、革ベルトの腕時計はよろしくないというマナーです。
これは、革が動物の皮を剥いで加工したものなので、殺生を連想させるというのが理由です。
しかし、靴やカバンなど、ありとあらゆる物が革製品となっている現代社会において、厳密に守るのは難しいのが現状です。
なので、以前と比べると革製品をマナー違反と見ることは少なくなっています。
もし、革ベルトのものをされる場合は、フォーマルな場なので黒のベルトになります。
ただ、ご年配の方は、このような風習を気にされる方もいらっしゃいますので、高齢の方が多く参列しそうな時は革ベルトを避けた方が良いでしょう。
【お通夜や葬儀の際は黒文字盤の腕時計は避けた方がいい?】
フォーマルな場なので理想は白の文字盤とされていますが、黒の文字盤も派手でなければ許容範囲内となっています。
ただ、カラフルなものやカレンダーなどの機能がついているものは避けるべきです。
【スマホを時計の代わりにするのはダメ?】
電話でありながら時間も確認できるスマートフォン。
とても便利ですが、これは駄目です。
あくまで携帯電話ですので、フォーマルな場においては連絡以外に用いるのはふさわしくありません。
そもそも、時計を忘れたとしても、腕時計自体が必ずつけなければならない必須アイテム、という訳ではないので、無理してスマートフォンで代用する必要はありません。
なので、使わない時は鞄にしまっておくのがマナーです。
【お通夜や葬儀でするならこんな時計!】
避けるべき時計の項目を見られて気づいた方もいらっしゃるでしょうが、ほとんどビジネスマナーと被っています。
なので、普段仕事で使われている腕時計があれば、それでほぼ大丈夫といえます。
葬儀用でわざわざ準備する必要はありません。
まとめるとすれば、
- 形は、丸型・正方形・長方形。
- 文字盤は、白色か黒色でカレンダー機能がないもの。
- デジタル文字盤ではなく針のもの。
- ベルトは、黒の革かシルバーのもの。
こういった時計であれば、マナー違反とされることはないでしょう。
【懐中時計はどうなの?】
腕時計・携帯電話にとって代わられ、今や見ることが少なくなった懐中時計。
若い方の中には、そもそも知らない方もいるのではないでしょうか。
懐中時計とは名前の通り、懐(ポケット)に入れるタイプの時計で、腕時計が誕生するまで長い間世界中で使用されていました。
しかし、腕時計が誕生すると、その利便性から次第に使う人がいなくなっていったのです。
ですが、高齢の方や趣味で持っている方は珍しくなく、フォーマルな場で使用されることもあります。
お通夜・ご葬儀においても、懐中時計はOKです。
ただ、やはりこれも華美なものは駄目で、色としては銀色が望ましいとされています。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか?
時間を確かめる機能と、おしゃれとしての機能を持つ腕時計。
プライベートではどんな時計をされても問題ありませんが、フォーマルな場面においてはそれ相応のマナーがあります。
故人様を極楽浄土にお送りするご葬儀も同じで、やはりマナーが存在します。
腕時計に限った話ではないですが、他の方の前で恥をかいたり、雰囲気をぶち壊したりしないためにもTPOを守った服装を心がけて葬儀に臨むことが大切です。