ようやく終活が認知され、広がり、メディアでも取り上げられるようになってきました。
どのジャンルでも言えることですが急速に普及していくこの時期だからこそ増えるのが「詐欺」等の犯罪です。
言葉だけが独り歩きをしていて、なかなかその意味や意義、目的、その物事の本質が伝わりきれていないからこそ起きてしまいます。
そこで今回は終活をブームから文化にするべく日々悪戦苦闘中の終活カウンセラーが実際に経験した終活詐欺のことも織り交ぜながらお伝えします。
終活詐欺って?
詐欺って色々あるけど終活にも詐欺があるの?
オレオレ詐欺や振り込め詐欺などといった特殊詐欺、出会い系、年金など以前からいろんなネーミングの詐欺があって、把握するのも一苦労。
最近ではスマホが絡んだスマホ詐欺や東京オリンピックに関連した土地売買やチケット売買などのオリンピック詐欺なんて言うものも出てきているようです。
終活における様々なシーンで起こる詐欺である終活詐欺。
健康関連、お墓関連、葬儀関連、資産・相続関連などでの被害が想定できると思います。
調べてみるといくつかの特徴もあるようです。
あなたは大丈夫ですか?
こんな人が狙われやすいんです
終活を始める方の多くは中高年であり、女性の方が多いのが現状です。
女性はもともと「繊細」かつ「強か(したたか)」な生き物であると私は(←ここ、あえて強調)思っています。
これは、私の娘に対する教育方針でもあります。
ちなみに男性は「強くて優しい」らしいです。
これは私の恩師でもある助産師が「私の息子に対する教育方針だ」と、授業中耳にタコができるほど言っていました。
その先生は男の子しか授からなかったからと、女の子の教育方針は教えていただけませんでした。
なぜ、この話をしたと思いますか?
私はここにどんな犯罪にも通じるヒントがあると思っています。
だいたいのものは対をなしてこの世に存在しています。
バランスをとって存在しています。
ですが、そのバランスを保つのはとても難しいです。
1人単位で見てみましょう。
たとえば体。
あなたの利き手はどちらですか?
両利きの人は、なかなかいませんね。
これが複数の人が交わるともっと複雑になります。
たとえば「繊細」が優位な女性×「強い」が優位な男性。
「強か」が優位な女性×「優しい」が優位な男性。
ちょっと強い口調でまくしたてたり、感情に訴えたかと思うと、今度は人や立場をかえて論理的に攻めてくるあたりは特殊詐欺のお決まりの手法ですが、なぜかこの被害、後を絶ちません。
なぜだと思いますか?
答えが気になる方はぜひ最後までお付き合いくださいね。
終活詐欺の手口
終活詐欺にはどんな手口があるの?
知っていると対策方法も考えられるわね!
終活における様々なシーンで起こる詐欺である終活詐欺。
健康関連、お墓関連、葬儀関連、資産・相続関連などでの被害が見受けられます。
その中でも終活の枠さえも超える3つの詐欺について実体験も交えながら解説します。
悪徳葬儀社に騙される
さかのぼること数年前。
私の義父が危篤状態になった時のことです。
医師からの説明の後、どの家族も口にするあの言葉を義母が言いました。
「葬式どうしよう?」。
いやいやいやいやいや・・・・まだ生きてるしー。ちゃんと看取ってからにしようよー。
と、私の中ではいつもの反応。
と、言いますのも、私は終活カウンセラーである前に「看取りにかかわり、看取りすぎて死神というあだ名まで頂戴するほど自称看取りを専門にしたいナース」なのです。
面倒なので、次回からは略して死神ナースと呼びます。
さて、そんな死神ナースでさえもほぼ初めてといっていい家族の看取り。
義母の話によると「互助会」なるものに入っているからそこで葬儀をしたいとのこと。
と、いうことで、さっそく電話をしてみました。
すると「生前の相談はしていない」「死んでからでないと会場を押さえられない」「死んだときによって空いている会場が違うから見積もりもできない」という、お返事でした。
もちろん、その葬儀社で葬儀をしなかったのは言うまでもありません。
互助会も解約しましたが、解約と返金手続きが煩雑で現金が手元に戻ってくるまで半年以上かかってしまいました。
義父の葬儀は別会社さんで執り行っていただきました。
義父が息を引き取る前日、営業時間外の夜に病院のロビーで見積もりを出し、会員契約をしてくれました。
家族葬のホールが空いていなかったため、家族葬のホールと同じ値段で一般葬ができる広いホールを故人を含めた我が家、総計10人で占領するという貴重な経験もさせていただきました。
まずは生前の相談に乗ってくれる葬儀社さんを選びましょう。
たとえ互助会に入っていても、解約時にいくらか手数料が引かれても、話を聞いてくれない葬儀社さんは論外です。
そして、見積もりを出してもらいましょう。
そこに書かれている言葉は商品名や記号暗号ではなく、その場にいなかった人や説明を聞いていない人でもわかる言葉ですか?
さらに可能なら数社から見積もりをもらってほしいと思います。
関連記事:葬儀費用を抑える方法3つの方法
健康グッズの押し売り
終活を始める方の多くは中高年です。
何かと「健康」が気になるお年頃ですね。
私の周りの中高年はサプリメントや市販薬をこよなく愛する人が多く、私も含め、必ず何らかのサプリメントを愛用しています。
そんな健康に気を配る世代だからこそ引っかかってしまうのが健康グッズ詐欺。
「お試し」や「モニター」などといい、のちに高額な商品を売りつけていくというものもあります。
病気や年齢による変化などに付け込んでくるケースや、紹介という形でご近所ネットワークを巻き込むもの、有名芸能人などを起用した広告などで信じ込ませるものなど多岐にわたります。
健康グッズ関連は裏付けが甘かったり、根拠として書かれている数字に矛盾などがある場合が多いため、冷静に判断したら見抜けることが多いです。
しかし、冷静さを欠くほどに心情に訴える営業や広報活動が繰り広げられるため、騙されてしまったり、押し負けてしまうことが多いようですね。
資産運用
悪徳葬儀社に騙される、でも少し触れた互助会制度。
中には積み立てをするところもあるようです。
しかし、その積み立てたお金は実際の葬儀費用のうちのごく一部にしか使われず、最終的には多額の請求がきて返済に困っている事例もあるようです。
また最近では家族信託や個人型の確定拠出年金(iDeCo)、少額投資、FX、バイナリーオプションなどなど、いろんな仕組みや物が生まれ、ものすごい勢いで拡散されています。
あなたが一生懸命はたらいて得た、大切なお金です。
どれもとても良い制度ですが、始める前には「きちんと学んでから」にしましょう。
と、いうのも、私、恥ずかしながらバイナリーオプションに関して苦い経験があります。
今でも海外の取引所に口座が開設されたままですが、きちんと自分で学ばず、導かれるまま、気の向くままに投資をしていたんですね。
投資のルールさえわからずに、です。
とても面白い世界ではありますので、キチンと知識を身につけたらまた始めようかな、とは思っています。専門家にお願いするときも丸投げではなく、自分で考え、学び、納得したうえでお願いするようにしたいものですね。
中には個人情報を抜き取り、転売するところもあります。
私も資産運用系のサイトからアドレスが流出してしまっていたケースを経験しています。
信頼できる専門家を見極める力も大事ですね。
終活詐欺の対策方法
たくさんの詐欺があるのはわかったわ。
その詐欺に掛からないようにするにはどうしたらいいの?
急速に普及していくこの時期だからこそ増えるのが「詐欺」等の犯罪です。
言葉だけが独り歩きをしている今、ただ流行しているから、みんながやっているからというだけで飛びつくのはとっても危険です。
あなたにとってその商品や物の意味や意義、目的、その物の本質が本当に合っているか必要かを見極める力を持っていただきたいと思います。
そして、自分に合わないと感じたものに関しては情や義理は棚に上げてばっさり切り捨てる勇気も必要だと思います。
そしてご自身がよいと思うものは共有してみてください。
そして、それについての率直な意見をもらってみてください。
誰かに話すことで自分自身も整理がつき、本当に良いものだったのか、必要なものだったのかが理解できると思います。
まとめ
実体験も交えて解説してみましたが、いかがでしたか?
・生前の相談に乗ってくれる葬儀社さんを選び、見積もりをもらいましょう。
・「お試し」や「モニター」で効果が期待できない健康グッズの購入時は激辛評価で検討を。
・資産運用を始める前には「きちんと学んでから」にしましょう。
そして、何よりも「見極める力」「誰かに伝える」「率直な意見を素直に受け止める」ことが大切だと感じています。
物事は常に対をなして存在しています。
あなたがよいと思い信じ切っているものが実は違っていた。
そんなことだってあることを忘れないでいてほしいと思います。