必ずやってくるお別れの日。
大切な人を失った悲しみの中でご遺族はたくさんの事を心配しなくてはいけません。
葬儀の準備とひとことに言っても、どのような形式で葬儀を行うのか、どの葬儀社にお願いするのか、親族・知人への連絡…と心配事は多岐にわたりますが、やはり一番の心配事と言えば「費用」でしょう。
国民生活センターによると「葬儀サービス」に関する質問は年々増加傾向にあり、そのほとんどが「葬儀費用」となっているとのことです。
突然のことも多いため、慌ててプランを決めざるを得ないことも多く、後になって思っていたものと違っていた・・・ということはよく聞かれます。
葬儀全体にかかる費用は、大変高額の印象がありますね。
日本消費者協会による調査結果では、156.1万円(全国平均)だそうです。
お墓がない場合には葬儀費用のほかにお墓の費用もかかりますし、葬儀社に支払う費用のほかに僧侶への支払い(基本的には現金)が必要となります。
そんな高額な葬儀費用について、誰が、いつ、どのように支払うものなのでしょうか?
ということを詳しくお伝えします。
目次
葬儀費用はいつ誰が払うの?
一般的には喪主が、葬儀社に、葬儀終了後に支払いをします。
葬儀費用の支払期限は葬儀社によっても異なりますが、多くは初七日を迎える頃(葬儀終了後概ね1週間以内)となっています。
葬儀を依頼するときに前金を支払うケースや葬儀終了後即日が期限となっている場合もあり、事前によく確認しておく必要があるでしょう。
葬儀後であればお通夜、ご葬儀が終わっていますので親族や友人などからいただく御香典をあてる事ができます。
しかし、契約内容によっては御香典ですべてをまかなえるとは限りませんので、契約の際、葬儀社によく確認しましょう。
そして、各葬儀社で料金形態も変わってきますので、葬儀社の比較もとても大切です。
以下の記事で葬儀社の比較について解説しています。
支払い方法の種類は4つ
支払い方法は現金のほかに、以下のように様々な形で対応しているところが増えています。
葬儀の場合は葬儀社への支払い以外に必要となってくる費用も以外と多いものです。
初七日に始まる法要や墓の手配、僧侶への支払い、病院で亡くなった場合は病院への支払い、相続にまつわる費用…と多岐に渡ります。
もちろん、遺族もその後の生活を送っていかなくてはいけませんので、想定外の費用が発生することもよく考慮した上で支払い方法を選択するとよいでしょう。
それぞれにメリットデメリットがありますので、ひとつひとつ見ていきましょう。
分割払い
現金一括の支払いが難しい、クレジットカードを持っていない・使えないという場合には「葬儀ローン」という手段があります。
即日審査の葬儀ローンに対応している葬儀会社も増えており、最長で36回払いまで可能です。
突然のことで費用の用意がない、費用を計画的に支払いたい、よりサービス内容を良くしたいなどの理由から分割払いを選ばれる方もいらっしゃいます。
ただし、利息が発生しますので計画的に利用しましょう。
カード払い
クレジットカードでの葬儀費用の支払いは一般的になって来ています。
いつも使っているカード利用ですと安心なのはもちろんですが、すぐに現金が用意できない場合、クレジットカードを通して一括払い、ボーナス払い、分割払いを選択できるほか、利用ポイントが貯められるというのもメリットのひとつです。
葬儀費用がクレジットカードの利用限度枠を超える場合には「利用限度枠の一時引き上げ」サービスが利用できる場合もありますのでクレジットカード会社に確認してみると良いでしょう。
ただ、高額であることがほとんどです。
分割払いには利息が発生しますので計画的に利用しましょう。
現金でのお支払い
葬儀終了後に葬儀社の担当の集金、または葬儀社へ訪問してお支払いするのが一般的です。
多額のお金を持ち歩くことになりますので、銀行振込に対応しているところも多いですが、現金でのお支払いにしか対応していない葬儀社もまだまだありますので、事前に確認をしておくと良いと思います。
御香典をあてる場合は手元に現金が用意できますので、現金でのお支払いがまだまだ一般的と言えます。
コンビニ払い
コンビニ決済に対応している葬儀社もあります。
基本的には後払い決済となるため、一定期間の支払い猶予期間(通常1~2週間程度)があります。
時間的余裕を持ってお金の準備ができる、全国のコンビニで、夜間や休日など日時を問わず支払うことができるなど仕事を持っている方、日中時間が取りにくいなど忙しい方には大変助かるサービスと言えます。
ただし、ご利用限度額が設定されている場合もありますのでよく確認しましょう。
葬儀費用が支払えない時はどうすればいい?
葬儀は突然の出来事の場合も多いですし、葬儀会社も高額な費用をすぐに工面するのは大変だと十分に理解しています。
そのため、事前に担当者に相談しておくことをおすすめします。
場合によっては支払いを少し待ってもらえることもありますし、分割払いに対応してもらえる場合もあります。
正直に事情を話すことが大切だということと、平常心でいられない状況下ではありますが身の丈に合った葬儀費用額で行うため、サービス内容をよく検討する必要があります。
そのためにも、担当者に正直に状況を話しておくことはとても大切なことです。
葬儀費用を踏み倒す人もいるの!?
必ずしも円満な最期と言えない場合や、ご家族に事情がある場合も多々あります。
お支払いの意思はあるものの、ないところからお金は出せない…という場合もありますが悪質な場合も。
葬儀のサービスにクレームをつける形で支払いを拒否する場面もあるようです。場合によっては訴訟にまで発展することも。
そのため葬儀社では顧問弁護士をつけて備えているところが多いようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
身近な大切な人を失い平常心ではいられない状況下でも遺族は冷静に考えなくてはいけませんね。
お葬式は出してあげたいけれど、経済的な理由で葬儀費用を出すことができない場合、葬祭扶助制度を利用した葬儀をあげるという方法もあります。
生活保護葬とも言われるように生活保護法に基づき支給されますので、扶助を受けることができる条件を満たしている必要がありますが、国・自治体の制度を上手く利用することで、葬儀費用の自己負担額を減らすことができます。
また、所定の手続きをすることにより保険の加入者であれば受け取れる給付金制度や市や区が予め定めた価格で葬儀を執り行える「市民葬・区民葬」という葬儀形態があります。
お住まいの自治体のサービスを事前に調べておくこともおすすめします。
葬儀社も様々ありますし、そのほとんどがホームページでかかる費用について詳しく説明しています。
電話や訪問で無料相談を行っているところもありますので、利用してみるのも良いと思います。
葬儀とひとことで言っても仏教、キリスト教、神道など、どの形態でやるのか、お骨はどうするのか、場所はどこでやるのか、どれだけの規模でやるのかなどその形態によってもかかる費用が変わってきます。
突発的に起こることも多く急いでプランを決めなくてはいけないことも多く、後でトラブルになる場合も少なくありません。
いずれにしても事前にどのような葬儀の形があるのか、どの程度の費用がかかるものなのか知っておくことは重要ですね。