葬儀に参列すると喪主はよく耳にしますが、たまに「施主」という言葉を耳にすることもあるかと思います。
みなさんは、「喪主」と「施主」の違いをご存知でしょうか。
喪主と施主同じように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、大きな違いがあります。
喪主を経験しても、施主というものがどういった役割があるのか知らない方もいらっしゃいます。
今回は、そんな喪主と施主の違いや、役割、誰が喪主や施主をするのか、などについてご説明していきたいと思います。
喪主と施主の違いとは?
喪主と施主、なんだかよく似ていると感じますが、これは大きな違いがあります。
一体何が違うのでしょうか。
宗教や宗派によって呼び方が違うのか?
それとも、故人との血縁関係などの関係性によるものなのかと考えてしまいますが、答えは簡単。
喪主と施主の違いは、葬儀費用に関係しています。
喪主とは
喪主とは簡単に言い換えると「遺族の代表者」です。
そして、その葬儀を執り行う人のことを言います。
言い換えると個人葬であれば、喪主がいなければ葬儀を取り仕切る人がいないということになります。
次にお話する施主ですが、喪主と施主が同じ人が行う場合は、「喪主、施主」と葬儀で言うことはなく、「喪主」と言われることが多いです。
この場合は「喪主」には「施主」の意味合いも含んでいることになります。
施主とは
施主は、葬儀の費用を出す人のことを言います。
個人葬では、喪主と施主が同じということが多いため、あまり施主と聞くことがありません。
しかし、社葬などであれば遺族が喪主、施主が会社となります。
現在、喪主と施主が分かれているのは、この社葬などの場合が多く、個人葬で喪主と施主がそれぞれいることは少なくなってきています。
個人葬でも、本来であれば喪主をするにふさわしい方が高齢のため他の親族が行うこととした。
しかし費用は出すということになれば、その方が施主となります。
分かりやすい例では、父親が亡くなったと仮定します。
本来であれば、母親が喪主をすればよいのだが悲しみにくれていることや高齢で喪主はかなりの負担があり、息子や娘が喪主を行い、費用は母親が出すとなるとこの母親が施主となります。
よってこの葬儀には喪主と施主の両方が存在することになります。
喪主や施主はどうやって決めるの?
喪主の決め方に特に決まりはありません。
昔は男性が喪主を行うのが一般的とされたこともありますが、現在は男女関係なく、故人との血縁関係が深い順に喪主の候補となります。
一般的には配偶者が喪主を行うことが多いのですが、長男長女、時には次男次女が喪主を行うこともあります。
喪主を決める際は、家族で話し合い、喪主を決めますが、どうしても自分たちの判断では決められないということであれば、親族や葬儀のプロである葬儀会社のスタッフの方に相談することをお勧めします。
葬儀会社の方は、数多くの葬儀を手掛けているので、その経験を元に最も適したアドバイスをしてくれます。
施主は、葬儀の費用を出す人なので、誰でもできるわけではありません。
多額な葬儀費用を出すとなれば当然血縁関係の深い方であると思います。
時には施主が複数人いることも考えられます。
喪主と施主の役割とは?
喪主と施主が同じ人であれば、特に役割を分ける必要はありません。
しかし、喪主と施主が別々でいる場合は、役割は大きく異なります。
現在では、喪主と施主が同じ人ということが多いので、この役割について深く考える機会がないのかもしれませんが、いざという時のために覚えておくとよいと思います。
大切な家族が亡くなってから、お通夜、葬儀まで大忙しで、決めなくてはいけないことやしなければいけないことがとても多いので、事前にこうした知識があるといざという時に役に立ちます。
喪主の役割
喪主は、いくつかの役割があります。
遺族代表としてのお通夜、葬儀での役割、また斎場での役割などがあります。
そのほか、葬儀全般を取り仕切る役割もあります。
正直、喪主は悲しみにくれる時間はありません。
大切な家族を亡くし、みな悲しいのですが、そんな中こうした役割が負担となるのであれば、血縁関係の深い中でしっかりと気丈にふるまうことができる方いたら、その方にお願いしてもいいと思います。
しかし、喪主をする経験は人生の中で多くはありません。
この経験は故人が最後に与えてくれた成長の機会と思い、喪主を務めあげてください。
施主の役割
施主は葬儀費用を出すため、喪主と一緒に葬儀の祭壇やお花など葬儀にかかる費用をともに考えていく役割があります。
例えば、祭壇はどのグレードのものにするのか、香典返しの品は何にするのか、お金がかかるものに関しては喪主と同じように意見を言い、決めていく必要があります。
お通夜、葬儀では挨拶などすることはありません。
喪主のように遺族代表といった立場ではありませんが、葬儀では施主の名もアナウンスされる場合もあるようですが、それは葬儀会場によって異なるようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
昔と今を比べると時代の流れとともに葬儀の在り方もとても変化してきています。
大勢の会葬者に見送られる従来のスタイルもあれば、家族葬という内輪のみで行う葬儀など様々です。
こうした変化とともに昔のしきたりのようなものにも、ある程度寛容になってきていると思います。
しかし、どんなスタイルであっても故人を偲ぶ気持ちは変わりありません。
今は喪主と施主が同じ人というのが主流となっており、社葬などで葬儀を行う場合は施主と喪主が異なるといったことがあります。
親族間で喪主と施主に分かれるというのも、特別な事情がある場合となっています。
また、喪主は聞いたことはあるが、施主は聞いたことがないという方も多くいます。
自分が喪主や施主になることもあるかと思います。そうした場合に慌てることがないように知識としてこの喪主と施主の違いを知っていることは、とてもよいことだと思います。
これから葬儀にもし参列することがあった場合、こうした点を意識することは重要であると思います。
故人を偲び、そしてこの葬儀を執り行うまでの遺族の思いなどを知ると、また参列する重みが違うと思います。