- 葬儀の時に送る花の相場ってどれぐらいなんだろう?
- 葬儀の時に送る花の種類や注文の仕方を知りたい
何か注意するところはあるのかな?
こんな疑問に答えていきたいと思います。
この記事でわかる事
- 供花とは
- 供花の相場や注文方法、送り方、選び方
- 供花を送る際の注意点
- 花輪の相場や注文方法、送り方、選び方
- 花輪を飾る際の注意点
- 供花・花輪のお返しとお礼状について
- 花輪や供花を辞退された場合
供花(くげ・きょうか)と呼ばれる葬儀でのお花。
飾る場所や贈り方、たむけかた、宗教、地域によってさまざまです。
花をあしらうことで故人の霊をなぐさめ、ご遺族の心もなぐさめられます。
故人への感謝とご遺族のお悔やみの気持ちを込めて贈りたいものです。
今回は、供花・花輪の相場や種類、注文の仕方やマナーについて解説していきたいと思います。
この記事を読めば、供花や花輪に関する疑問や悩みを解決する事ができます。
目次
供花とは?
供花は「くげ」「きょうか」と言い、故人に供える花のことを言います。
供花は故人を慰める意味と、葬儀の際に祭壇や会場を飾る花として使われます。
供花と香典は両方準備するの?
一般的に、香典と供花を両方準備する必要はありません。
供花も香典も送るのがマナー違反という事はないので「供花は故人に」「香典は遺族に」という形で両方準備する人も多くいます。
供花と献花の違い
供花は葬儀の場で「故人・遺族」に弔意を形として表す事ができるのに対して、献花は「故人のためだけに」弔意を表す事ができます。
供花と花輪の違い
供花と花輪には3つの違いがあります。
供花 | 花輪 |
祭壇周りに飾られる | 屋外に飾られる |
生花で作るのがほとんど | 造花で作るのがほとんど |
個人から送る事が多い | 企業や団体から送る事が多い |
葬儀で贈る供花の相場
供花は「一対=2つ」や「一基=1つ」のどちらで送るかによって相場が変わってきます。
- 一対の場合だと、15,000円〜3万円
- 一基の場合だと、7,500円〜15,000円
上記の金額が供花の相場となります。
一基か一対かの決まりはなく、送る方の予算次第になるので、ご自身の予算に合わせて手配するようにしましょう。
葬儀会場の都合で一基しか受付ない場合もあるので、供花を注文する際に確実に確認を!
また、平均相場を上回る供花は遺族の負担となってしまう場合があるので、極力、平均相場の範囲内で送るようにしましょう。
供花の選び方は宗派で変わる
供花ってどうやって選んで送ればいいの?
供花を選ぶ時は、白を基調として、淡い紫や故人が好きだった色などを取り入れるようにしましょう。
明るすぎる色などはNGとなるので、選ばないようにしてください。
また、下記の宗派でも選び方が変わってきます。
- 仏式
- 神式
- キリスト教
仏式の場合
仏式でメインとして用いられる供花は以下の通りです。
- 白菊
- 白百合
- 白の胡蝶蘭
上記の花をベースに黄菊や淡い色の胡蝶蘭を添えることもあります。
神式
神式の場合、供花に関しては仏式と同じと考えて問題ありません。
キリスト教
キリスト教の場合、白の花をメインにする点は仏式や神式と同じですが、菊が選ばれることは少ないです。
菊の代わりに、百合やカーネーション、バラを使うことが多いのが特徴。
バラは仏式や神式では使う事ができないですが、キリスト教では飾ることができます。
キリスト教で言う供花は、仏式や神式と違い「籠花で自宅に送る」のが基本となります。
キリスト教においては、馴染みのない方が多い傾向となるので、遺族や葬儀社に相談してから手配するようにしましょう。
供花の注文方法
供花ってどうやって注文したら良いんだろう?
供花は、葬儀を担当する葬儀社に注文するのが一般的です。
葬儀を担当する葬儀社は、遺族の宗派や地域性なども考慮し、さらに供花などを並べた時の統一感なども考えています。
手配先が担当葬儀社以外になってしまうと、供花の統一感がなくなりバランスが崩れる事があるので、葬儀社の判断で飾られなくなる可能性も出てきます。
「供花を送ったのに飾られない」という事にならないように、供花は担当する葬儀社にお願いするようにしましょう。
供花は通夜当日の午前中に間に合うように送る
供花は「通夜当日の午前中に間に合うように送る」のが基本となっています。
葬儀社に手配するのは早めが良いのですが、供花の到着が早すぎると失礼にあたる場合があります。
なので、葬儀社に供花を注文する際に、供花の到着時間なども相談するといいでしょう。
供花を送る際の注意点
供花を送ろうと思うんだけど、何か注意する事はあるのかな?
供花を送る際は、以下3つの事に注意しましょう。
- 遺族・葬儀社への確認
- 時期と種類で相場が変わる
- 通夜の時間に間に合うようにする
遺族・葬儀社への確認
供花は、葬儀や告別式に参列できない場合などに送る事があるのですが、遺族の意向により「供花を辞退」している場合もあります。
なので、供花を送る際は遺族か葬儀社へ事前に連絡をし、了承を得るようにしましょう。
時期で花の種類や相場が変わる事がある
供花は生花を使用します。
なので、時期によって供花に使用される花の種類が変わる場合があります。
また、花の種類が変わると、相場も変動するので注意しましょう。
葬儀社に故人と自分の関係性を伝える
供花は飾る順番がきまっています。
祭壇の中心から外側に向かって以下の順番となっています。
- 故人と近しい遺族や親族
- プライベートで親しくしていた方達
- 会社関係
このように飾る順番が決まっているので、葬儀社に供花の注文を入れる際に「故人との関係性」をしっかりと伝えてください。
供花の札名の書き方
供花に添える札名ってどう書けばいいのかな?
札名は送り主がわかるように供花に添えられている札のことを言います。
遺族や参列者にも「誰から送られた花か知らせる」役割も担っています。
書き方は以下5つの立場で変わってきます。
- 個人
- 夫婦
- 親族
- 会社
- 連名
個人の場合
個人で供花を送る場合は、個人名のみを記載します。
家族だとしても続柄を書く必要はなく、送り主の名前だけで問題ありません。
夫婦の場合
夫婦で供花を送る時の札名は、夫の氏名のみを記載します。
一緒に名前も書いても良さそうなのですが、夫婦の名前を並べて書くと「離婚や別居をしている」と勘違いされてしまう場合があるからです。
夫婦で供花を送る場合「夫婦で1つ」と考えられるので、名前を書く際には夫の名前だけを記載しましょう。
親族の場合
親族で供花を送る場合は「〇〇家一同」「〇〇家 親戚一同」「親戚一同」などと記載します。
さらに細かく分ける事も可能で、その場合は「兄弟一同」「子供一同」「孫一同」などと記載します。
細かる分けると、それだけ供花も増え、祭壇に飾れなくなってしまう場合がありますので、葬儀社と相談しつつどこまで分けるのかを決めるようにしましょう。
会社の場合
会社から供花を送る場合は「正式な会社名」か「会社名+代表者の役職と氏名」を記載します。
部署で供花を送る場合は「会社名+正式な部署名」を記載しましょう。
また、部署の全員からではなく、有志で送る場合は「会社名+部署+有志一同」と記載すれば問題ありありません。
連名の場合
連名の場合は、一番右から地位の高い順に記載していきます。
連名で記載できる人数は、各葬儀社や花屋で多少上下しますが、3〜8名という場合が多いので、それ以上に人数がいる場合は、無理に全員の名前を記載しないようにしましょう。
「有志一同」や「一同」と記載してもらえば問題ありません。
花輪の相場
花輪の金額相場は一般的に10,000〜20,000円ほどになっています。
花輪は葬儀会場の入り口などに飾れることが多く、参列者の目に必ず触れるため、相場よりも極端に高かったり、安かったりしない様に送るようにしましょう。
もし、どのぐらいの相場のものを送ればいいのか分からない時は、葬儀社に相談してください。
葬儀社に相談すれば、故人との関係性を考慮した最適な花輪を提案してもらうことができます。
また、花輪の支払い方法は3つ。
- クレジット払い
- 葬儀社に直接払い
- 後日振り込み
葬儀社によってクレジットが対応してない事もありますが、ほとんどの場合、上記3つの支払い方法から選ぶ事ができます。
花輪の手配方法
花輪ってどうやって手配するのかな?
花輪の手配方法は2つあります。
- ネット注文
- 葬儀社に注文
ネットでの注文は手軽なのですが、以下の条件が揃っている時だけにした方が失敗がありません。
- 葬儀場に合った花輪のサイズが分かる
- 贈っていい花がわかっている
- 宗派がわかっている
上記3つが分かっている場合は、ネット注文でも問題ないのですが、どれか1つでも分からない部分があるのであれば、葬儀社に手配してもらうのが無難です。
葬式で貰った花はどうしたらいい?
一部地域ではお葬式の後に飾ってあった花を持ち帰るところがあります。
地域差が激しく、持ち帰るための新聞紙やビニールなどを用意してくれるところもあれば、帰り際に小さな花束となって手渡されるところもあります。
しかし、そもそも持ち帰る風習がないところもあるため、遠方の葬儀に参列した場合、持ち帰ってほしい旨のアナウンス等がなければ持ち帰ることは避けましょう。
では、もしお花を頂ける葬儀だった場合についてどのように飾ればよいのかについて解説します。
どこに飾ればいい?
お葬式に使われる花の多くは贈りものであるため、品質の良いものであることが多いです。
ただし、生花店などで買ってきた花と違うことが1つ、それは葬式に用いられた後のお花であるということです。
それをどう捉えるかによって、どこに飾るのかが自ずと決まるようです。
地域によっては○○さんの葬儀に参列したこと、そちらの世界へ旅立ったことを報告するために自宅のお墓に供えて報告する習慣があったり、同じ目的で仏壇に飾るところもあるようです。
また、天寿を全うされた葬儀での花は長寿の縁起を担ぐために玄関に飾るところもあれば、リビングなどの常に見えるところに飾り、故人を偲んだりと様々のようです。
地域によって差はありますが、ここに飾ってはいけないというルールはないようです。
仏壇に飾るのはダメ?
仏壇に飾ることについては、葬儀に関するお花の扱いの中でも一番意見が分かれるところだと思います。
お葬式のお下がり、一度供えたものをもう一度供える2度供えにあたるなどという理由から、仏壇には供えないという風習がある地域もあれば、○○さんの葬儀に参列したこと、そちらの世界へ旅立ったことを報告する目的もかねて仏壇に供える風習がある地域もあります。
また、僧侶によっては仏壇に手を合わせることは宗派を超えてすべての仏さまへの供養であると考える方もおり、葬儀で使われた花を仏壇に供えて手を合わせることで、ご先祖の供養と同時にその葬儀で送られた故人への供養にもなるため、仏壇に供えた方がよいという見解を示される方もいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
様々なしきたりや風習、時代背景などにより、葬儀で用いられる花は変化してきました。
近年では近隣での婚姻が減少し、地域を超えた婚姻により習慣や風習も受け継がれにくくなっていることを背景に、お花1つでさえ葬儀でのトラブルに発展する事態に陥ることも少なくないようです。
供花は花の部分を摘み取ってすべて棺に入れる地域もあれば、きれいさっぱり持ち帰る地域もあります。
また、固く閉じたつぼみの花かごを49日かけて咲かせて故人を偲ぶ地域もあります。
どれが正解で、どれが間違いではなく、そこに共通することは「故人を偲ぶ」こと、「先祖を供養する」ことに尽きると思います。
まずは故人を偲ぶためにも、その地域の風習を知り、尊重してください。
そして先祖の供養のために、先祖代々伝わる教えを知り、伝承してください。
いつの時代にも変わらないことは「その人を思う心」だと思います。