家族や親せき等の血縁で近い関係の方や、仕事でのおつきあいや旧友等の深い関係だった方がなくなった場合にはぜひ贈りたいものですが、どのようにしたらよいのでしょうか?
今回は、供物の選び方や種類、渡し方や相場などをお話ししていきたいと思います。
目次
供物とは?
訃報を受けても、仕事や家庭の事情や遠方で会葬できないけれど、大切な人への弔意を届けたい。
葬儀にも参列予定ではあるけれど、家族や親せき等の血縁で近い関係だった、仕事でのおつきあいや旧友等の深い関係だったから生前の故人への感謝の気持ちを届けたい。
そのような思いを届け、故人の霊をなぐさめるために霊前に置かれるものを供物(くもつ)といいます。
宗教や宗派によって贈ってはいけないものがあるため注意が必要です。
また、地域によっては風習やしきたりなどもあるため供物を送る場合には事前に喪家の意向を確認したほうがよいでしょう。
供花や供物を辞退された場合にはそれに従い、香典のみとしましょう。
供物の種類を紹介!
供物は供物、供花(きょうか)、弔電(ちょうでん)と3つの種類に分けることができます。
供物にはろうそくや線香、干菓子(ひがし)、水菓子(みずがし)・生菓子(なまがし)、和菓子、果物や缶詰などの盛かご、お酒、などがあります。
干菓子とは落雁(らくがん)や金平糖(こんぺいとう)、八つ橋、甘納豆(あまなっとう)などの水分が20%以下のお菓子のことです。
水菓子とは一般的に水ようかんやゼリーのことを指しますが、本来は果物のことを指します。
水菓子には水ようかんやゼリー、果物の他にアイスも含まれます。
羊かんや水ようかんなどを和生菓子(わなまがし)ゼリーやプリン、ケーキなど洋生菓子(ようなまがし)、アイスやシャーベットなどを氷菓子(こおりがし)と区別して呼ぶ場合もあります。
さすがに氷菓子や一部の洋生菓子は持参できませんが、梅雨時期から夏にかけてはおすすめの供物ではないでしょうか?
お線香やろうそくは近年ではご進物用のものが多数出回るようになり、選択肢が増えたことで、故人の好みなどに応じて贈れるようになってきました。
供花には花束や盛り花などのようにバスケットに入れたもの、花輪などがあります。
白い色の花が基本ですが、故人の好きだった花を贈る場合にはこの限りでなはい場合もあるようですので、喪家へ問い合わせてから用意した方がよさそうですね。
地域によってはタオルで作った花輪などもあり、供花にもいろんな種類があることがうかがえます。
弔電は、電報で故人をしのぶ気持ちを表す弔意を、お悔やみの言葉を用いて送ります。
葬儀に参列できない場合によく選ばれます。
電報という性質からお悔やみの気持ちを早く届けることができます。
日時指定が可能であるならば葬儀の前日までに、遅くても葬儀の2時間前には届くように手配しましょう。
弔電は115番やNTT、郵便局、インターネットから申し込むことができ、デザインや定型文も充実しています。
宛名は喪主か故人○○様とし、最後に差出人の名前を忘れないようにしましょうね。
また、注意点として忌み言葉(いみことば)は使わないようにします。
忌み言葉とは「重ね重ね」や「ますます」などの重ね言葉、「死亡」「死ぬ」「生きる」などの直接的な表現は使ってはいけません。
葬儀中などの会話の中でも使わないように十分に配慮しましょう。
供物の選び方や相場を紹介!
お香典の相場は知っているけれど供物の相場はいくら位なのでしょうか?
いろんな種類がある供物ですが、どのようなものをどの程度贈ったらよいのでしょうか?
また、お香典との割合などは、どのように考えたらよいのでしょうか?
供物の相場と選び方
供物は特別なものではなく、一般に売られているものを贈ります。
わかりやすく言うと、お中元やお歳暮を選ぶ感覚です。
ただ1つ、明らかに違うことはもう二度と故人へは贈り物ができない、という点です。
お中元やお歳暮の相場は相手との関係にもよりますが、3000円から10000円程度ではないでしょうか?
では、もう二度と贈ることのできない特別な贈り物にはいくら位かけてあげたいですか?
供物の相場は1~2万円といわれています。
だいたいお中元やお歳暮の倍の値段くらいと思っていれば間違いないようです。
供物は葬儀などの際に霊前に置き、その物の力を借りて故人の霊を引き寄せなぐさめるものとされています。
故人が好きだったものを中心に喪家と相談しながら選びたいものですね。
宗教でも供物は変わるの?
お葬式は仏教に限ったことではありません。
故人が信仰していた宗教の教えに沿って執り行われます。
今回は大まかに3つに分けてご紹介します!
日本人にとって最もなじみ深い仏式の場合
あまり迷うこともなく供物が選べるのではないでしょうか。
代表的なものはろうそくやお線香、干菓子や水菓子などの菓子類、果物です。
贈ってはいけないものは日持ちのしない物、肉類、魚類です。
たとえ加工品であっても魚介類や肉類は避けましょう。
供花は白を基調にキク、ラン、ユリとし、ほかの花を入れる場合にも白い花がメインとなるように調整します。
表書きは「御供物」「御供」とします。
神式の場合
神式ではお線香は贈ってはいけないものとされ、果物やお酒を贈ることが一般的です。
また和菓子や海の幸を贈っても問題ないようです。
供花は仏教と同様に白色のキク、ラン、ユリとし、ほかの花を入れる場合にも白い花がメインとなるように調整します。
表書きは「御供」とします。
また、果物を贈る場合のみ「水菓子」としても構いません。
キリスト教の場合
キリスト教では捧げものは神へ贈るものとされ、故人に対し供物を贈る習慣はありません。
そのため表書きもありません。
供花は贈ることができます。
その場合はユリやカーネーションなどを持ち運びやすいようにバスケットなどに入れてもらったうえで自宅へ送ります。
このとき名札等は不要です。
そこから葬儀会場へ運んでもらい、故人へたむけ、神に捧げます。
供物の渡し方は?
葬儀などに持参する場合には受付でお渡しするのが一般的です。
弔事用(ちょうじよう)の包装をお願いし、不祝儀(ぶしゅうぎ)の水引をかけます。
表書きは一般的に49日法要までは「ご霊前」、それ以降は「ご仏前」などにします。
送り主の名前はその下に記入します。
わからない場合には供物を購入し、包装をお願いするときに店員さんに尋ねるとよいでしょう。
お葬式に参列できない場合には葬儀後に自宅あてに贈るか、日を改めて弔問する際に持参しても構いません。
この場合には遺族が飾りやすいものや、ろうそくやお線香など故人をしのぶときに使いやすいものを選ぶようにするとよいでしょう。
供物を渡せば香典はいらない?
供物や供花はご霊前に置き、故人の霊をなぐさめるために供えるものです。
香典もまた、故人のためにお供えをするもので、同じ意味合いを持ちます。
そのため、供花や供物のみとして香典を出さなくても問題ありませんし、香典のみでも問題はないのです。
相場やしきたりも大切ですが、もっと大切なのは故人をしのぶ思いではないでしょうか。
送る側の故人をしのぶ思いが強いのならば、両方とも送ってもよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
家族や親せき等の血縁で近い関係の方や、仕事でのおつきあいや旧友等の深い関係だった方がなくなった場合にはぜひ贈りたい供物。
宗教や地域、故人の好みや喪家の意向、時候にあわせてセンスの良いものを選びたいものです。
故人へはもう二度と贈ることのできない特別な贈り物です。
時間のない中で準備をしなければならず、大変ではありますが、故人への感謝の気持ちをぜひ届けてあげてほしいと思います。