葬儀での焼香は宗派で回数が変わるの?正しいやり方と意味を解説!

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通夜や葬儀・告別式に参列することはそう多くないため、参列が突然決まって準備に困ったり作法が分からなかったり慌てた経験はありませんか?

 

その中でも特に、焼香について正しい知識や作法を知らない方は多く、自分の前の人の方法を確認して真似たりしたこともあるのではないでしょうか。

 

通夜や葬儀・告別式において焼香はとても大切な場面で、参列者であれば必ず行うものです。

 

なぜ焼香を行うのか、焼香にはどんな意味が込められているのか、焼香の正しい作法はどんなものがあるのか、基本的な知識やマナーを身につけておき、いざという時に慌てないように確認しておきましょう。

焼香の正しいやり方を解説!

焼香は、会場の大きさや場面によって主に3つのスタイルに分けられます。

 

それぞれの特徴と、その際の作法やマナーについて説明します。

 

1.立礼焼香の場合

立礼焼香は、椅子席のある会場で行われる焼香のことで、祭壇前に設置された焼香台で行います。

 

これまで参列した中で、一番このスタイルが多いのではないでしょうか?

 

①自分の順番が来たら、後ろの参列者の方に「お先に失礼します」と一言挨拶をし席を立ちます

 

②通路の真ん中を通らず、端を歩いて焼香台へ向かいます

 

③焼香台の手前で一旦止まり、ご遺族に向かって一礼します

 

④焼香台の前まで来たら、遺影に向かって一礼します

 

⑤宗派の作法に従って焼香を行います

 

⑥焼香が終わったら、改めて遺影に向かって合掌、一礼します

 

⑦遺影の方を向いたまま2、3歩下がってご遺族に向かって一礼し、席に戻ります

 

2.座礼焼香の場合

座例焼香は、畳敷きの和室がある会場や自宅、寺院などの葬儀で行われます。

 

また、法要などでもよく行われる方法です。

 

座礼焼香では、祭壇やご僧侶の近くに設置された焼香台で行います。

 

手順は立礼焼香と同じですが、焼香台までの移動方法が異なります。

 

この時の移動の方法は、「膝行(しっこう)・膝退(しったい)」と言い、親指を立てて、他の4本の指は握り、腕で身体を持ち上げながら軽く膝をついた状態で行います。

 

①自分の順番が来たら膝をついたまま前に進みます(膝行)

 

②焼香台の手前で正座し、ご遺族に向かって一礼します

 

③焼香台に寄り、遺影に向かって一礼してから焼香台前の座布団に正座します

 

④宗派の作法に従って焼香を行います

 

⑤焼香が終わったら、改めて遺影に向かって合掌、一礼します

 

⑥遺影の方を向いたまま少し下がり、ご遺族に一礼します

 

⑦膝をついたまま席に戻ります(膝行)

 

もし自分の席が焼香台から遠い場合などは、できるだけ中腰の姿勢で席を立ち、会場の端を通って少し前に移動しても構わないとされています。

 

この時、自分や他の参列者の方の座布団を踏んだり、畳の縁を踏んだりしないように注意しましょう。

 

3.回し焼香の場合

回し焼香は、会場が狭い場合などに行われます。

 

焼香台へ自分で向かうのではなく、焼香炉が順番に回ってきます。

 

①自分のところへ焼香炉が回ってきたら、軽く会釈をして受け取ります

 

②焼香炉を自分の前へ置いたら、遺影に向かって合掌します

 

③宗派の作法に従って焼香を行います

 

④焼香が終わったら、畳の上を滑らすように静かに、隣の方へ回します

 

回し焼香は多くの場合は畳敷きの会場などで、座布団に正座したスタイルですが、椅子席の場合もあります。

 

椅子席での回し焼香は、自分の膝の上に乗せて焼香を行います。

宗派で変わる焼香回数

 

日本の仏教は主に大きく6つの系統があり、そこから13の宗派に分かれます。

 

・奈良仏教系 … 法相宗、律宗、華厳宗

 

・密教系 … 真言宗

 

・密教&法華系 … 天台宗

 

・法華系 … 日蓮宗

 

・浄土系 … 浄土宗、浄土真宗(本願寺派・大谷派)、融通念仏宗、時宗

 

・禅系 … 臨済宗、曹洞宗、黄檗宗

 

宗派によって葬儀の執り行い方や作法なども異なり、焼香も宗派によって回数や作法に違いがあります。

 

葬儀などでの焼香は、ご僧侶やご遺族から行いますので、特に決まった宗派のない方はそれにならっても良いでしょう。

 

喪家と自分の宗派が違う場合は、どちらの宗派に合わせて焼香を行うのかはご自身で決めても構いません。

 

また、参列者の多い場合などは、宗派に関わらず1回の焼香になることがあります。この場合、焼香が始まるときに、司会者の方がその旨を伝えてくれます。

 

基本的に数珠を持つのは左手で、焼香は右手で行いますが、焼香の回数などは以下のように宗派によって異なります。

 

宗派焼香回数作 法
浄土真宗

(本願寺派)

1回抹香をつまみ、そのまま香炉に落とす
浄土真宗

(大谷派)

2回抹香をつまみ、そのまま香炉に落とす
臨済宗1回抹香をつまみ、そのまま香炉に落とす
曹洞宗2回抹香をつまみ、額の高さまで掲げ、香炉に落とし

2回目は抹香をつまみ、そのまま香炉に落とす

天台宗1回または3回抹香をつまみ、額の高さまで掲げ、香炉に落とす
真言宗3回抹香をつまみ、額の高さまで掲げ、香炉に落とす
浄土宗1~3回抹香をつまみ、額の高さまで掲げ、香炉に落とす
日蓮宗1回または3回抹香をつまみ、額の高さまで掲げ、香炉に落とす
日蓮正宗1回または3回抹香をつまみ、額の高さまで掲げ、香炉に落とす

 

このように、多くは1~3回の焼香となります。焼香の回数が宗派によって異なるのは、その回数に込められた意味が宗派によって違うためです。

 

焼香だけではなく、数珠の種類や持ち方、法要やお墓参りでのお線香の本数などの作法にも違いがありますので、合わせて詳しい説明をしていきましょう。

1.浄土真宗

 

※焼香※

浄土真宗は、他の宗派と比べて一番違いがあります。

 

その中でも、「葬儀は死者への供養ではない」という教えです。礼拝の対象となるのは阿弥陀仏で、門徒であれば亡くなった後は極楽浄土に迎えられる(即往生)ため、成仏や冥福を祈る必要がないとされています。

 

浄土真宗での焼香は、「香は供えるもの」という意味を持つので、額に押しいただく(額の高さまで掲げる)ことはしません。

 

本願寺派は1回のみですが、大谷派は2回です

 

焼香の持つ意味合いなどは同じですが、1回目は仏前へのお供えという意味で、2回目は、焼香を通して心の穢れ(けがれ)をおとす意味合いがあります。

 

また、抹香を香炉にくべる前に合掌はしません。合掌は焼香後に行います。

 

合掌の際の数珠は、数珠の中に両手を通すように合掌します。

 

※線香※

浄土真宗での線香は、本来の抹香での焼香に近い形をとっています。

 

そのため線香は立てず、1本の線香を2~3本(香炉に入るサイズ)に折り、火をつけて寝かせる寝線香が作法になります。

 

香炉に寝かせ入れる時の左右の向きはどちらでも大丈夫です。

 

2.臨済宗

 

※焼香※

臨済宗では多くは額に押しいただかずに1回が基本です。

 

中には僧侶の考え方などの違いで2回、3回する場合もあります。

 

2回の場合は、1回目は額に押しいただき(主香)、2回目はそのまま香炉に落とします(添え香)。

 

焼香の前後に、合掌と一礼をします。

 

合掌の際の数珠は、2輪にして左手の4本の指にかけ、右手を添うように合掌します。

 

※線香※

臨済宗での線香は、1本を立てて供えるのが作法です。

 

火をつけたら左手で仰ぎ消して供えましょう。

 

3.曹洞宗

 

※焼香※

曹洞宗での焼香回数は2回です。

 

1回目は額に押しいただき(主香)、2回目はそのまま香炉に落とします(添え香)。

 

焼香の前後に、合掌と一礼をします。

 

合掌の際の数珠は、二輪にして左手の4本の指にかけ、右手を添うように合掌します。

 

※線香※

曹洞宗での線香は、1本を立てて供えるのが作法です。

 

火をつけたら左手で仰ぎ消して供えましょう。

 

4.天台宗

 

※焼香※

天台宗では特に回数の定めはないため、1回か3回焼香をされる方が多いです。

 

また、額に押しいただいても、押しいただかなくてもどちらでも構いません。

 

※線香※

天台宗での線香は、3本を立てることが作法とされています。

 

3本を束にして火をつけ、左手で仰ぎ消して供えましょう。

 

5.真言宗

 

※焼香※

弘法大使、空海が開いた宗派で、真言宗は「即身成仏」を教えの根本としています。

 

焼香回数は3回で、3回とも額に押しいただくか、最初の1回だけ押しいただきます。

 

仏教において「3」という数字は特別な意味を持っていて、3業(身・口・意)を清める説や、3宝(仏・法・僧)に捧げる説、3毒(貧・瞋・癡)を1つずつ無くす説から、3回の焼香を行うとされています。

 

基本的には、焼香の前に一礼をし、焼香の後に合掌をするとされています。

 

合掌の際の数珠は、両手の甲側に房が垂れるように中指に数珠をかけ、数珠は交差させずに持ちます。

 

※線香※

焼香と同様に、3本の線香を立てて供えますが、香炉の中での立て方に特徴があります。

 

3本の線香に火をつけたら、奥に1本、左手前に1本、右手前に1本の配置で立て、正三角形になるようにします。

 

2人以上で一緒に線香をあげる場合は、1本ずつ線香を立てていきます。自分の場所から線香が立てにくい場合は、香炉を回して立てても構いません。

 

6.浄土宗

 

※焼香※

浄土宗では、特に回数に決まりはないため1~3回焼香をされる方が多いです。

 

抹香をつかんだら、掌を返して左手を下に添えて額に押しいただき香炉に落とします。

 

焼香の前後に、合掌一礼をします。

 

合掌の際の数珠は、合掌した両手の親指にかけて手前に垂らします。

 

※線香※

浄土宗では多くの場合1本の線香を立てて供えますが、線香を2本に折って寝かせる寝線香の場合もあります。

 

7.日蓮宗・日蓮正宗

※焼香※

日蓮宗では、導師や僧侶は3回で、壇信徒やお参りの方は1回焼香とされています。

 

また、抹香をつかむのは、右手の人差し指と親指の2本でつまむとされています。

 

焼香の後に、合掌一礼します。

 

日蓮宗で使われる数珠には特徴があり、菊房と呼ばれる房が2本ついているものと、房が3本ついているものが、それぞれ数珠の反対側についています。

 

持ち方は、右手の中指に房が2本、左手の中指に房が3本あるほうを掛け、両手の間の数珠は交差するように持ち、そのまま合掌します。

 

※線香※

日蓮宗での線香は、1本もしくは3本立てて供えます。

 

 

焼香をする意味

 

これまでに述べたように、宗派によって焼香が持つ意味合いは多少異なりますが、基本的に焼香は、仏の功徳をたたえたり逝去された方を弔うために行われるものです。

 

仏教での焼香の起源は古く、おもに4つの意味合いを持つと言われています。

 

仏教の前身ともされるバラモン教では、炎は神の消化器官であり、お供え物を火で焼くことで神が立ち上った煙を食べるとされていました。

 

その考えから、焼香で使われる香は神へのお供え物であり、香を薫じて仏さまを供養するという意味を持つようになりました。

 

2つめは、焼香の煙で自分の心や身体の穢れをおとし清めるという意味を持ちます。

 

3つめは、極楽世界の荘厳を思い起こさせる香煙が隅々まで平等に行き渡る様子から、仏の慈悲にたとえられます。

 

4つめは、抹香が燃え尽きて灰になる様子から、我が身の無常を悟る教えという意味を持ちます。

 

少々難しいように感じるかもしれませんが、葬儀などでの「抹香を香炉にくべる」という行為は、霊前と自身の穢れをおとし、清浄な心で逝去された方のご冥福をお祈りする気持ちを届けるという思いを忘れずにご焼香するようにしましょう。

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

 

このように「焼香」は古くからの歴史があり、大切な意味合いを持つ儀式なのです。

 

また、宗派によって作法が違うこともあまり知らなかった人も多いのではないでしょうか?

 

通夜や葬儀・告別式に参列した際に、慌てることなく冷静に行動できるよう、あらかじめ基本的な知識やマナーを知っておくことは社会人として大切な教養ですね。