細かい決め事も多いお葬式。
中でも今後のお付き合いへの影響も心配な席順ですが、地域や葬儀の種類、葬儀場によっても異なるようです。
そんな葬儀での親族席の席順について、最近のお葬式事情も交えて徹底解説します!
葬儀での席順の意味は?
葬儀での席順は故人との関係を明らかにする目的と、お焼香や弔辞など葬儀をスムーズに進行するために、あらかじめ決められています。
葬儀の規模や葬儀場内の配置によって異なりますが、基本的に祭壇に近い方が上座となり、血縁の濃い順で座ります。
順番としては遺族・親族・一般会葬者となります。
近年のセレモニーホールでの葬儀では2列に席が分かれていることが多く、祭壇に向かって右が親族席、左が一般会葬席となります。
お焼香は喪主から順に行うため、右側最前列の内側に着席します。
こうすることで、挨拶などの際もマイクまでの移動距離が少なくなり、心身ともに疲れている遺族への負担も少なくなります。
また、1列並びの場合には喪主は最前列の真ん中に座ることが一般的です。
続いて遺族、親族、一般会葬者と続きます。
なお、この場合には式の進行をスムーズにする等の観点から、弔辞など席を立つ人が前列や通路側に座るなどの配慮がなされることが一般的です。
一般会葬者席で上座に座るのは葬儀委員長や、おつきあいの長い人や上司などですね。
親族席に座る範囲はどこまで?
親族席については喪主の意向が尊重されるため、葬儀の進行に差支えがなければ基本的に範囲も順番も自由です。
ちなみに、法律で親族と定められているのは血族6親等、姻族3親等までです。
この親等(しんとう)の数え方でわかりやすいのは血族の場合、自分からその人までの間に何人の人間がいるかを数えることです。
例えば、
自分の父親が他界した場合、自分と両親とが1親等となります。
自分の兄弟は自分と親をはさむため2親等となります。
自分の子ども、すなわち故人から見ると孫にあたる関係の人は孫と自分をはさんで個人へたどり着くため3親等となります。
自分から見て故人の兄弟も孫と同様に3親等です。
一般的にはここまでを遺族ととらえることが多いようです。
そう考えると、法律上の親族とされる6親等とは結構な範囲になることが想像できると思います。
ですが実際の葬儀では年齢等の関係などから、6親等まで勢ぞろいすることはほぼないと考えてよく、自分が6親等以内に入っていればその家族もまた親族であると考えてもよいでしょう。
お盆やお正月に集う親族イコール葬儀に参列確定メンバーというイメージでも良いのかもしれません。
通常、親族席は家族単位で座ります。
ただし、家族単位ではあまりにも故人の兄弟など血縁者が下座となる場合は喪主の意向により席の調整が行われます。
また本家(ほんけ)や分家(ぶんけ)によって席順が決められている地域もあります。
そのため親族席に座るかどうかや席順については、通常喪主から指示される、もしくは喪主の意向を受けたセレモニースタッフが案内することがほとんどのようです。
また、家族葬の場合、参列者は親族のみである場合のことが多く、親族席や一般会葬席といった区別がないのが普通です。
家族葬の場合も喪主より親族として葬儀への出席の案内があった場合には、一般会葬ではなく親族として参列します。
葬儀での席順を解説!
結婚式のように席次表がなく、しかも急なことであり、自信をもって座れないのが本音ではないでしょうか?
一般会葬者として参列する場合には受け付け順に着席します。
地域によっては一般会葬者の中でも年長者が上座、女性は下座などの風習もあるようです。
その中の「女性は下座」には女性への差別というよりは「赤ちゃん連れへの配慮」があるようです。
たとえ親族であっても、ものわかりの良い子でも、小さな子どもにとっては長時間の葬儀は苦痛です。
そのため、ぐずってしまったときにはすぐに退席できるように出入り口に近い場所に座るようにしたいものです。
また、親族としての参加の場合には故人との続柄や葬儀の中での役割によって席順が変わってしまいます。
そのため親族として参列する場合には続柄・役割に注意して着席するように心がけましょう!
また、困った場合には周囲の方に聞いたり、葬儀スタッフに聞くと快く教えてもらえるはずです。
失礼があってからでは遅いので、遠慮せずに聞くことをお勧めします。
喪主の妻はどこに座ればいい?
基本的に喪主の隣に着席します。
喪主の妻の両親は一般的には親族席には座らず、一般会葬者席へ座ることが多いです。
そのため喪主の妻の兄弟が出席する場合にも同様に一般会葬者席へ座ります。
遺族側の配慮により、一般会葬者席のなかでも上座に座ることもあるようです。
また、喪主の妻である場合、喪主である夫が表の代表であるならば妻は裏方の代表でもあるため地域やタイミングによっては親族席に座れない場合もあります。
近年ではお給仕などもセレモニースタッフが代行するプランもあるため、葬儀の打ち合わせの段階で喪主の妻の役割を確認しておくことをお勧めします!
姉や弟の席順は?
喪主の家族に続いて続柄順(生まれた順)に家族単位で座ります。
ただし、兄弟の多い場合には家族単位で座ってしまうと血縁者にもかかわらず下座となってしまいます。
その場合には兄弟夫婦のみで順番に座り、続いて続柄順に家族単位で座るように調整されることがあります。
孫はどこに座る?
基本的に孫までは遺族とされます。
そのため、家族単位で座る場合にも孫までとするところが多いようです。
ただし、前述のとおり、兄弟の多い場合などでは孫以降は下座、または、親族席ではおさまらない場合には一般会葬者席に座ることもあるようです。
その場合にも地域によっては喪主の家族の孫、もしくは故人と同居していた家族の孫は親族席に座るなど、故人から見て同じ孫であっても座る場所が違うところも少なからずあるようです。
そして孫世代の特徴的なことの1つとして、故人の年齢などによっては未就学児であることが多いことです。そのため、遺族とはいえ、柔軟な席の配置が必要となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
いつの世も、人の死は突然にやってきます。
その時にあわてなくて済むよう、お盆やお正月などの親族が集う席では誰が来てどのような順番で座っているのか、どんな風習があるのかを確認しておくのもよいかもしれませんね!
そして親族の中でも、葬儀に関する役割の大きい順で家族単位で座ることや、1親等→2親等→3親等というように、親等の順で座ることを理解しておきましょう!
そうすると場違いな席に座り、恥をかくことは避けられると思います。
故人をしのぶ大切な葬儀がつつがなく進行していくためにも、席順の意味や続柄の意味を理解することは大切なことだと思います。
近年では喪主があらかじめ席次表を作り、受け付けの際に席を指定し、案内することも増えてきました。
しかしながら地域によっては同じ1親等でも跡取りや嫁いでいったなどによって席順が変わったり、故人から見て同じ孫であっても内孫(うちまご)と外孫(そとまご)でも座る順番が変わるため、そういったところのリサーチも生前のうちに確認しておくことをお勧めします。
そして、困ったときには遠慮せずに周囲の人やセレモニースタッフへ相談する勇気も忘れずに持ち合わせておきましょう!