大切な家族の葬儀の喪主になった場合、喪主の挨拶をどのようにすべきかと悩むことが多いのですが、喪主の役割は遺族代表の挨拶だけではありません。
遺族代表の挨拶の前に、もっと緊張する場面があります。
それは、大勢の会葬者の前でお焼香をする時です。
いつか訪れるかもしれない喪主としてのお焼香。
いざという時に慌てない様に今回は、お焼香について詳しく解説をしていきます。
目次
喪主のお焼香の順番とやり方を解説!
実は、お焼香といっていも種類がいくつかあります。
最近はセレモニーホールなどで葬儀を行うことから立礼焼香が多く、みなさんがよく目にしたり、経験したことがあると思います。
しかし、行った葬儀で突然予想していない形式の焼香では、焦りや不安、失礼なことにならないかなど内心ドキドキ、そして自分より先にお焼香している方のやり方をじっと見て真似をするということになります。
基本的にお焼香のやり方は喪主、親族、会葬者とも同じ方法です。
ただ、喪主が一番最初にお焼香を行うため、見本となる存在でもあります。
また喪主はお焼香前に会葬者に一礼をすることを忘れてはいけません。
喪主はもちろん、そうではない方も事前にいろんなやり方を知っておくと、いざという時に困らずに落ち着いて焼香ができるため、ここでは3つのお焼香の違いについてお話します。
立礼焼香の場合
立礼焼香とは、セレモニーホールなどでよく目にする椅子に座って通夜や葬儀に参列する場合に多く行われるスタイルです。
まず最初に遺族を代表し喪主がひとりでお焼香を行います。
続いて、親族、会葬者の順となります。
椅子から立ち上がる際に、勢いよく立ち上がるのではなくそっと椅子を動かすことなく立ち上がり、すたすたと歩くよりはゆっくりと歩きます。
※喪主の焼香のやり方※
1.喪主は会葬者の方を見て一礼
2.祭壇の前ヘ行き、遺影を見て一礼し合掌
3.抹香を右手の親指と人差し指、中指の3本で軽くつまみ、焼香炉にいれる
4.遺影をみて合掌
5.立っていた位置から一歩下がり、僧侶と会葬者に一礼
6.席に戻る
座礼焼香の場合
座礼焼香とは、式場が畳の場合に多くみられるスタイルです。
座礼焼香の場合も、喪主から先にお焼香を行い、親族、会葬者の順となります。
お焼香の手順も立礼焼香と同じです。
ただし、立礼焼香と異なる点は、まっすぐ背筋を伸ばして立ち上がるのではなく、前かがみになり静かに祭壇の前まで行きます。
お焼香は足が不自由でない場合は、基本的に正座をして行います。
喪主は祭壇近くに座ることが多いため、その場合は立ち上がらずに膝を畳につけたままの状態でずりずりと引きずるように移動して祭壇の前まで行きます。
祭壇まで距離がある場合は立ち上がることもあります。
そうした時は、立ち上がる際の作法があるので、少し簡単にご説明します。
立ち上がるときは、親指だけを使い他の指は握った状態で、親指を畳に押し当てるような感じで立ち上がることをお勧めします。
回し焼香の場合
今では回し焼香を行うスタイルでの葬儀は少なくなっていますが、式場が狭く、移動して焼香をすることが困難な場合に行われることがあります。
お寺での葬儀や自宅で葬儀を行いたいが大きな部屋がない時に回し焼香をします。
喪主から親族、会葬者の順、お焼香の手順は他のスタイルと同じです。
お盆は膝の正面に置くのが一般的で、喪主がお焼香を終えたら、順に回していきます。
喪主のお焼香の際のマナー
会葬者に一礼された時はどうする?
会葬者はお焼香の際に、喪主や親族に対して一礼されます。
その時、喪主は会葬者に対して深々と礼をするのではなく、「目礼」を行います。
この目礼とは、相手の目をみて目でお礼をするといったイメージです。
軽く会釈をするというふうに思っていただければいいですね。
喪主が深々と礼をするのは、僧侶に対して礼をする時だけです。
喪主も遺族に一礼する?
喪主は遺族の代表です。
つまり、遺族には一礼はしません。
これは忘れずに覚えておくことが大切です。
お世話になった人が来たら席を離れてもいい?
葬儀中は、喪主は席から離れることはできません。
とてもお世話になった方が来られても、自らその方のそばに出向くことはしません。
向こうから喪主の方に来てくれた場合は軽く会話をすることもありますが、出迎えたりお見送りなどをすることはしません。
喪主の代わりに他の遺族が葬儀終了後に参列のお礼をしに行くことは可能ですが、喪主は祭壇のそばから離れることはできません。
宗派別の焼香の仕方
上記に記載したお焼香の手順は一般的なものですが、お焼香の回数や細かな作法は宗派によって異なります。ここでは、代表的な宗派による焼香の回数と作法をご紹介します。
真言宗の場合
・焼香回数 3回
・作法 抹香を額の位置までもっていき、焼香炉の中へ入れる
浄土真宗本願寺派の場合
・焼香回数 1回
・作法 抹香をそのまま焼香炉の中へ入れる
浄土真宗大谷派の場合
・焼香回数 2回
・作法 抹香をそのまま焼香炉の中へ入れる
浄土宗の場合
・焼香回数 1~3
・作法 抹香を額の位置までもっていき、焼香炉の中へ入れる
臨済宗の場合
・焼香回数 1回
・作法 抹香をそのまま焼香炉の中へ入れる
曹洞宗の場合
・焼香回数 2回
・作法 1回目は目の高さの位置までもっていき、2回目はそのまま焼香炉へ入れる
日蓮宗の場合
・焼香回数 1回もしくは3回
・作法 抹香を額の位置までもっていき、焼香炉の中へ入れる
天台宗の場合
・焼香回数 1回もしくは3回
・作法 抹香を額の位置までもっていき、焼香炉の中へ入れる
まとめ
いかがでしたでしょうか?
喪主は人生の中で多く経験することではありません。
そのため、喪主を行うとなるととても緊張したり、不安になったりすることもあります。
喪主の役割は遺族代表の挨拶だけではなく、お焼香を最初に行わなければいけないのですが、お焼香の仕方などは、しっかり僧侶やセレモニーホールのスタッフ、葬儀社のスタッフが教えてくれます。
またセレモニーホールなどの場合は、事前にお焼香のリハーサルを行うこともあります。
喪主がひとりで困ることがないよう、まわりのサポートの必要であるため、分からないことは事前に確認することや、助けてほしいことがあれば遠慮なく親族や葬儀社に聞くことも大切です。
まずは、自分の家の宗派が何かを知っておくことから始めましょう。