一緒に終活する人も居ないし、何から手を付けていいのか分からないわ。
今回はこんな疑問に答えていきたいと思います。
人生の終焉は誰にでも訪れます。
現在では晩婚化が進み、熟年離婚も増え、「おひとりさま」が多くなってきました。
生き方も様々なら逝き方も様々ですよね?
死の多様化なんて言われたりもします。
さて今回はあなたらしい生き方を大切にしているおひとりさま・独り身・独身者へ向けた終活のお話です。
独身の終活で大切なこと
独身の終活で大切な事は以下の2つです。
- 「自分の未来を予測して決められるものは先回りして決めておくこと」
- 「万が一の時の代弁者を見つけてお願いしておくこと」
さて「おひとりさま・独り身・独身者」の共通点はどこでしょう?
それは「今、独り身であることを自覚して生きていること」だと思います。
終活は終焉に向けた準備活動のことではありません。
一般社団法人終活カウンセラー協会では終活を「人生の終焉を考えることを通じて、自分を見つめ今をよりよく自分らしく生きる活動のこと」と定義しています。
すなわち「自分の人生をどう生きるかを模索すること」そして「よりよく生きるために障害となりうる不安材料を見つけて対処すること」そのうえで「いまを、そしてこれからをあなたらしく生きていくこと」を終活というのだと思います。
ここまではこの世に生きるすべての人たちに共通することです。
独身の終活ではこれに追加して「自分の未来を予測して決められるものは先回りして決めておくこと」と「万が一の時の代弁者を見つけてお願いしておくこと」が大切になってくると思います。
独身者の終活でやっておきたい3つのこと
独身の終活でやっておきたいのは以下の3つです。
- 生前整理
- 葬儀の手配
- 自身の財産の事
独身者の終活で大切なことの1つに「自分の未来を予測して決められるものは先回りして決めておくこと」がありました。ここからは主に自分の死後に関わる3つの項目について説明していきます。
生前整理
生前整理にも色々ありますが、今回は「デジタル遺品」の整理について説明します。
最近では「デジタル終活」ともいわれるようになりました。
Facebookには追悼アカウントなるものが存在し、自分が死んだのちにFacebookの管理ができる人を決めておくことができます。
LINEやTwitterにはまだその機能はないようです。
SNSに限らず情報を保存管理する機能があるクラウドと呼ばれるものや各種アカウント、IDもデジタル遺品となります。
どのサービスを使っているのか、そのIDとパスワードは何なのかは伝えておく必要があると思います。
ただし、個人情報であり、クレジットカードが登録されているものなどであればセキュリティーの面からも心配です。
そのため、不要になったアカウントは削除するようにし、日ごろからデジタル断捨離も行うようにしましょう。
そして、どうしてもの最期まで使いたいものに関してはIDやパスワードなどを一覧表にしてヘソクリ同様、人目につかないところに隠しておきましょう。
葬儀の手配
自分が死んで、一番最初に困るのが葬儀ですよね。
どこの安置所へ運ぶか、どのように葬儀を行うのか、死んでしまったあとでは決めようもありません。
以前は生前葬が流行った時期もありましたが、今は葬儀の生前予約が人気のようです。
ご遺体の移送は死亡診断書があれば付き添いがなくても対応してくれるところもあります。
葬儀や火葬などに関しては死亡届の提出などの手続きが必要になりますが、それまでの間の時間稼ぎはとりあえずできそうです。
自身の財産のこと
財産と言えば、家・土地・車・預金などがあげられると思います。
どこに何があるのか、その際に使ったハンコや暗証番号はわかるようにまとめておくといいでしょう。
今回はこういった分りきっているものに関しては割愛し、忘れがちな財産についてお話したいと思います。
あなたに質問です。
ポイントカードは何枚持っていますか?
ポイントがたまるアイテムやIDはいくつ持っていますか?
実は、遺産をめぐる裁判の中でポイントカードのポイントやマイレージなどの事例もいくつかありました。
たまたま使っていたクレジットカードが使えば使うほどマイレージがたまるタイプでした。
高齢者の場合や、そういったサービスに疎い方の場合「知らず知らずのうちにポイントやマイレージがたまり、積もり積もってうん万円、うん十万円分になっていた。しかも、それが毎年消滅していっていた。」なんて言うのはよくある話です。
カード会社やサービスによっては引き継げないポイントなどもあるようです。
まずは今あるポイントカードやクレジットカードなどを見直し、ポイントが付与されるものについてはリスト化しておくことをお勧めします。
独り身の人生に甲斐を見つける
独身者の終活で大切なことに「万が一の時の代弁者を見つけてお願いしておくこと」がありました。
ある終活に関するセミナーの中で、おひとりさまの生活を豊かにするのは「きょうよう」と「きょういく」であると聞き、目から鱗だったことを覚えています。
あえてひらがなで書いたのはその言葉が当て字であるからです。
その本当の意味とは、「今日」やる「用事」がある、「今日」「行く」所がある、ということです。
そこにはあなたが必要で、そしてその相手も必要です。
人間は1人では生きていけません。
人という漢字のごとく、です。
おひとりさまもまた、誰かを支え、誰かに支えられて生きています。
葬儀も生前予約はできますが、実際に施行するのは公私を問わずあなたの身近なサポーターのはずですし、遺品整理や財産分与などもその方が担当してくれるのではないでしょうか。
そんな身近なサポーターとは最期まですてきなお付き合いをしたいものですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「この世界は誰かの仕事でできている」というコーヒーのCMがあるように「今、独り身であることを自覚して生きているおひとりさま・独り身・独身者」であってもいつの時代も1人では生きていけません。
あなたが日々生活をしているだけでもたくさんの方とつながっていきます。
たとえば、コンビニでおにぎりを買うとします。
そこにはコンビニの店員さんや配送トラックの運転手さん、コメ農家さん、のり漁師さん、おにぎり加工場の作業員さんなど、直接かかわる人だけでもこんなにいます。
そして、あなたを思い、あなたをサポートしてくれる人もきっといるはずです。
独り身の終活ではより細部まで考えて準備を進めることが大事です。
それはあなたが亡き後にあなたの思いを実現しやすくするためでもあります。
個人情報を守りつつ、自分が死んだのちを引き受けてくれる人にきちんと情報や思いを伝えられるよう、隠し場所を教えたり、そのヒントになるものを残したりしておきましょう。
そして自分スタイルの人生を楽しみましょう。
だって終活とは終焉に向けた準備活動ではなく、「自分の人生をどう生きるかを模索すること」そして「よりよく生きるために障害となりうる不安材料を見つけて対処すること」そのうえで「いまを、そしてこれからをあなたらしく生きていくこと」なのですから。