
お通夜や告別式の時に限って新札しかない・・・。
お札の向きもよく分からないし、新札しかない時ってどうすればいいの?
結婚式などの慶事ではピン札でないといけないということは、多くの方が知っているかと思います。
では、通夜や葬儀・告別式などに持参する御香典はどうでしょうか。
通夜や葬儀・告別式や法事などの弔事においては、ピン札を使ってはいけません。
今回は、お通夜や葬儀・告別式や法事などの弔事の際のお札の向きや新札しかない時の対処法などを紹介していきます。
葬儀でのピン札がダメな理由



しわの無い綺麗なお札の方が失礼にならないと思うけど、なんでダメなの?
御香典とは、線香や供花の代わりに霊前に供えるもので、故人への弔意を表すためだけではなく、葬儀などで突然の出費に対してお互いに助け合うという意味を持っているとも言われています。
そのため、御香典など弔事においてピン札を使うことは、
「不幸を予期していた」
「あらかじめ準備していた」
など思われるため、ご法度となっているんです。
また、新たな不幸を招かないようにという願いも込めて古いお札を使用する、とも言われています。
慶事の時は逆に、ピン札の方が喜ばれます。
ただ、ピン札がダメといっても破れていたり、あまりにも汚れているようなものはもちろん避けてください。
ピン札しかない時はどうするの?



訃報の時に限ってピン札しかない・・。
こんな時はどうしたらいいの?
訃報は突然やって来ます。
急に御香典を準備しなくてはいけないため、どうしてもその時にピン札しかないこともあるかと思います。
その場合は、二つに折るなど折り目をつけると良いでしょう。
壱萬円札を使用する場合は難しいですが、五千円・千円札の場合はお店でくずしても良いかもしれませんね。
お札向きや入れ方のマナー



香典袋に入れるお札の向きは、特に正式な決まりはないようです。
ですが、相手への心遣いとして、相手が袋からお札を取り出したときに札が表を向いているのが好ましいとされています。
ここで言うお札の表裏は、肖像画のある方が表、ない方が裏となります。
香典袋や中包みが封筒の場合、封筒の裏側(住所や金額を書く面)にお札の表が来るように入れます。
この時、お札の肖像画が上下どちらになるように入れるべきなのかは、地域などによっても様々でした。
右利きの方が多いと思うので、左手で封筒を持ち右手で封を開けてお札を取り出すことを考えると、肖像画が上にくるように入れる方が良いかもしれませんね。
封筒以外で、半紙などで包む場合は肖像画が下になるようにお札を包みます。
包みを開いたときに、お札の「〇〇円」が頭からきちんと読めるように向きを考えます。
どちらの場合も、複数枚入れるときは向きをそろえましょう。
上包みと中包みに分かれている香典袋の場合、香典袋の取り扱い方にも注意が必要です。
お札を入れる中包みを取り出したり、上包みに入れるときに、水引きを外してはいけません。
香典袋に折り目がついたり、水引きが曲がったりしないように気をつけましょう。
また、香典袋の裏側の重なりは、必ず「上側が下側を覆うように」たたみます。
これは、香典だけではなく弔事の場合はすべてこの重なりになります。
「不浄なものを上から下へ流す」という意味をもっています。
慶事ではこの反対のたたみ方になり、「幸福が下に流れないように下の紙で受け止める」という意味を持ちます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ピン札でも古いお札でもどちらでも良いのでは?
お札の向きもどちらでも良いのでは?
と思われる方や、今まで特に気に留めたことのなかった方もいらっしゃるかもしれません。
小さな事かもしれませんが、それらには故人や遺族に対する気遣いや弔意などの心遣いが込められているのです。
このような細やかな心配りができるのは日本人ならではですね。