自分が亡くなった後の事を考え生前整理をしようと思っている方も多いのではないでしょうか?
生前整理をする事は良いのなのですが、様々なトラブルに巻き込まれる可能性もあり気をつけなければいけません。
そこで今回は、生前整理で起こる可能性があるトラブルとその対策をご紹介致します。
生前整理で起こるトラブル
生前整理をする上で多くの人がまず悩むのは、やはり「貯金」「家」「土地」「お墓」の4つではないでしょうか?
そして上記に続いて、「着物」「雑貨」「趣味のコレクション」などについて悩んでいる方が多いと思います。
「着物」「雑貨」「趣味のコレクション」などは、自分にとって不要な物だと思えば、早いうちに売りに出して現金化なども考えられますが大切なものや思い入れが強いものだと自分が亡くなるまで手元に置いておきたいと考えますよね。
また「貯金」「家」「土地」「お墓」は、自分だけで解決するのは難しい問題です。
一人で解決しようと思うのは避けましょう。
上記であげた問題を踏まえて生前整理する上で考えられるトラブルは
- 財産などの相続問題
- 不用品の整理と処分の問題
- 業者を装った詐欺被害
- デジタル遺品の整理
の4つとなっています。
それぞれ一つずつ下記で説明していきます。
是非、参考にしてください。
財産などの相続問題
生前整理をしていく上で一番トラブルになりやすいのが、財産などの相続問題です。
自分が願う相続を行うには、前もって正確な財産目録をつくっておく必要があります。
財産目録は、現金や不動産といったプラスになる財産だけでなく、借金やローン、保証人などマイナスなる財産もきちんと書いておかなくてはいけません。
そして、生前に遺言書や財産目録を作成し準備しておいても家族がいる場合は事前に話しておいた方が良いでしょう。
もし、前もって話しておかないと自分の死後に家族同士で聞いてなかったと怒りだす人も出て来てしまい遺産の分割でトラブルになってしまう大変ケースが多いです。
家族には言いづらい問題かもしれませんが、大切な人がトラブルに巻き込まれない為にも生前に相続について話し合いをしておくのがお勧めです。
話し合いで逆にトラブルに巻き込まれそうな場合は、弁護士など専門家の力を借りましょう。
※遺言書の作成で迷ったら専門家に任せたほうがよい?
遺言書は有効となる書き方がきっちりと決まっています。
また、書き方について複雑な仕組みや制度もあるので、一人で作成するのが不安な場合は弁護士や税理士に依頼するのが確実です。
ちなみに、弁護士などの専門家に遺言書の作成を依頼した場合、費用は10万円~20万円ほどになっています。
また、弁護士に民事信託として財産の管理も依頼する場合は、管理する財産総額によって違い費用は20万円~200万円ほどになってきます。
不用品の整理と処分の問題
財産の相続に続いて悩まされるのは、不用品の整理と処分ではないでしょうか。
物が少ない家や部屋なら大丈夫なのですが、一軒家に一人で住んでいる場合や物が溢れかえっている部屋の場合は整理するだけで膨大な時間がかかります。
また、整理するとともに処分するものも沢山出てくると思います。
小さい物なら良いのですが、大きな家財など処分に困るものもありますよね。
特に古い家具や布団、家電などは、住んでいる地域の自治体ルールに従い、処分をしなければいけません。
処分方法を間違えれば近所同士のトラブルに発展する場合があるので注意してください。
業者を装った詐欺被害に注意
生前整理をしたいけれど時間がなくて、できないなどの理由から業者に頼もうと考えている方も多いと思います。
実際に生前整理を行う業者は最近、増えており需要も高まっています。
しかし、ここで気をつけなくてはいけないのは悪徳業者とのトラブルです。
まず、家庭から出た不用品を収集・廃棄するサービスを行うには、自治体の許可(産業廃棄物収集運搬許可)が必要です。
この許可を得ていない業者に依頼するのは大変危険です。
なぜなら整理した不用品が不法投棄される可能性があるからです。
ある日、警察から電話がかかってきて発覚するパターンが多いです。
そして、いくら許可を取っている業者だからといっても安心してはいけません。
処分したい地域の許可を持っておらず、他の地域の資格を持っていても全く意味がないからです。
もし業者の実態が警察でも分からなければ、投棄されたものの処分の責任を負わされてしまいます。
また、使える不用品を業者に買い取ってもらう場合は、古物商許可を取得している業者か事前に確認しておきましましょう。
そして、業者トラブルで最も多いのが料金トラブルです。
現在、生前整理をしてくれる業者は、全国に少なくとも数千社はあるのですが、費用や時間は千差万別です。
しっかりと業者を選ばずに頼んでしまった為、多額の費用を請求されるという被害が増え続けています。
例えば、生前整理の費用の見積りを依頼したところ、現場に来て部屋の状態などを確認することも無いまま数百万という高額見積もりを出し、キャンセルすると上乗せしてキャンセル料を請求されたというケースや、見積り時には約30万円だったのに作業後に最初の見積額を上回る約110万円を請求されたケース、見積り時の料金より約50万円高い金額を作業終了後に要求されたなどといったケースが報告されていました。
デジタル遺品の整理
ここ最近で問題になってきているのが「デジタル遺品」のトラブルです。
パソコンやスマホなどのデータや情報は、本人以外分からない場合がほとんどです。
特に「ネット口座」「写真・動画データ」「SNSアカウント」この3つが心配な方も多いと思います。
この中でも「ネット口座」は相続トラブルにつながりやすいものです。
事前に「ネット口座」のパスワードは、情報共有しておきましょう。
また、インターネットで株取引をされている方は注意してください。
インターネットで株取引をしていたことを家族が知らず、相続終了後に株が暴落して家族が大借金を抱えてしまったという報告も出ていました。
デジタル遺品は、意外にトラブルになりやすいので早いうちに生前整理を行うことをお勧めします。
また、SNSのアカウントやパスワードの一覧表を作成して保存しておくと、必要な情報をすぐに見つけることができます。
見られたくない不要なデータはこまめに削除しておきましょう。
生前整理で起こるトラブルの対策
生前整理で起こるトラブルとその対策は以下の4つです
1 財産に関するトラブル対策
- 財産を目録としてリストアップしておく。
- 相続人全員から同意を得て処分の仕方(贈与か相続か)を決めておく。
- 生前に相続について話し合いをしておく。
- 遺言書を作成する。※悩んだ場合は信頼できる弁護士などの専門家に依頼する。
※家族が知らない相続人がいる場合(愛人の子供や再婚相手など)や、分けにくい財産(不動産など)がある場合は、死後にトラブルが生じやすくなります。
このような事情があるときには、きちんと関係性や財産の整理をしておき、争いを未然に防ぐように準備しておいてください。
2 不用品や業者のトラブル対策
- 不用品の処分は間違った方法ですれば近所同士でトラブルになる可能性が高い為、自治体のルールに従い処分する。
- 業者に頼む場合は、自身が住んでいる自治体の許可(産業廃棄物収集運搬許可)を得ているか事前にする。
- 査定を頼む場合は、古物商許可を取得している業者か事前に確認する。
- 見積もりをする時は一か所ではなく複数社から取り、業者の選定を慎重に行う。
- 作業内容や費用を明確に出してもらう。
- 料金やキャンセル料、具体的な作業内容について事前に聞いておく。
※少しでも不自然な業者だと思ったら契約をするのは辞めておきましょう。
3 悪徳業者に騙されたら?
・弁護士に相談
悪徳業者に高額な料金を取られてしまった場合は、一度弁護士に相談してみてください。
弁護士費用が気になる場合は、法テラスの利用を検討してください。
法律事務所によっては、無料相談に対応している所もあります。
一人で悩まず相談してみましょう。
・消費者相談センターへ相談
もし弁護士に相談してよいか迷う&悪徳業者か分からない場合は、消費者庁が設けている相談センターに相談してください。
悩んでいる内容ごとに親身に相談に乗り、様々なアドバイスをして貰えます。
4 デジタル品のトラブル対策
- 見られたくないデータは、パスワード設定をしてロック。
- 家族にも見られたくないデータがある場合は、早めにデータを削除しておく。
- 家族に伝えておく。
- エンディングノートに自分のパソコンやスマートフォンの整理・処分方法について具体的な希望を書いておく。
まとめ
今回は、生前整理で起こる可能性があるトラブルとその対策をご紹介いたしましたが、いかがでしょうか。
解説した事をまとめると、
・生前整理をする上で多くの人が悩んでいるのが「貯金」「家」「土地」「お墓」についてで
それに続いて、「着物」「雑貨」「趣味のコレクション」となっている。
・生前整理する際に考えられるトラブルは「財産などの相続問題」「不用品の整理と処分の問題」「業者を装った詐欺被害」「デジタル遺品の整理」となっている。
・遺産については、生前に話し合っておく方が良い。
・遺産について前もって話しておかないと自分の死後に家族同士で遺産の分割でトラブルになってしまうケースが多い。
もし、話し合いで逆にトラブルがより大きくなりそうな場合は、専門家の力を借りる。
・遺言書の作成を弁護士などの専門家に依頼した場合の費用は10万円~20万円ほどになっている。
・弁護士に財産の管理を依頼する場合の費用は、20万円~200万円ほどになっている。
・近所同士のトラブルに発展しない為にも古い家具や布団、家電などは、住んでいる地域の自治体ルールに従い、処分をする。
・生前整理を業者に頼む場合、処分したものが不法投棄されるのを防ぐ為、自身が住んでいる地域の自治体の許可(産業廃棄物収集運搬許可)を得ている業者かを確認する。
・不用品を業者に買い取って貰う場合は、古物商許可を得ている業者かを査定する前に確認する。
・業者に騙された場合は、弁護士や消費者センターに相談する。
・財産問題やものの整理などの目が奪われがちになるが、「ネット口座」「写真・動画データ」「SNSアカウント」などの‘‘デジタル遺品‘‘のトラブルも注意しなくてはいけない。
・特に「ネット口座」などは相続トラブルにつながることもあるので、事前にネット口座のパスワードを情報共有しておく。
・見られたくない不要なデータはこまめに削除しておく。
以上になります。
生前整理を家族の事を思いしている時にトラブルに巻き込まれたら悲しいですね。
トラブルに巻き込まれないためにも焦って行動をせず一つずつ確認を行ってしていきましょう。
もし、トラブルに巻き込まれてしまったら一人で悩まず弁護士や消費者センターに相談するようにしてください。
この記事が生前整理をする時に少しでも役立てば嬉しいです。