葬儀に参列したいがどうしても外せない用事がある
ケガや病気で入院中だから葬儀に行けない
葬儀の場所があまりに遠すぎる
このような事情があって親しい方のお通夜やご葬儀に参列できない方は珍しくありません。
その時に利用されるのが「弔電」と呼ばれるものです。
しかし、葬儀を執り行う家族様の側からすれば、家族だけで静かに葬儀を執り行いたいとお考えの場合は、「弔電」を受け取っても困るという方もいらっしゃるでしょう。
とはいえ、あまりにきっぱりと断って角が立つのも問題なのでどうやって断って良いのか分からない、そんな方もいらっしゃるでしょう。
今回は、家族葬における「弔電」の断り方に焦点を絞って書いていきたいと思います。
目次
【そもそも弔電とは?】
「弔電」とは、その漢字が示す通り『弔いの電報』です
ご葬儀に参列できないので、代わりに文章でお悔やみの言葉を伝える手段として用いられるものです。
そして、葬儀の中で『弔電披露』という形で文章を読まれることになります。
卒業式や結婚式などで、『祝電』というものがありますが、あれの葬式版と思えばわかりやすいと思います。
大体の場合は遠くの親戚ですとか、会社関係、あるいは地元の議員が売名行為として送ってくることもあります。
いずれにしても、葬儀の場に行くことが出来ない方が利用されるものとなります。
【家族葬で弔電は断ってもいいの?】
家族葬だし、弔電は断ってもいいのかな?
基本的には、断らない方が無難ではあります。
何故なら、弔電を送る側は弔いの気持ちを持っていらっしゃいますが、どうしても葬儀には行けないのでやむを得ず弔電、という形をとっています。
なので、これを断るのは、送る側の気持ちを無下にしてしまうことになります。
どうしても弔電がいらない時は、なるべく早く弔電が要らない旨をお知らせしておいた方が良いでしょう。
【失礼のない弔電の辞退の仕方を紹介】
いくら弔電を断らない方が無難と言えども、故人の遺志で受け取って欲しくない、などの理由から断らざるを得ないこともあります。
そして、断り方についても、相手や手段によって微妙に異なることがあるので、いくつかの代表的な方法で分けて書いていきたいと思います。
《メールでお断りする場合》
文章としてはっきりと残った形で、迅速に、しかも一度に大量に送ることができるメール。
弔電辞退の旨をメールで伝えるときは、親族にも一般の方にも幅広く使えます。
会社関係などの方にも勿論使えます。
早期に明確な文章として残せるので、送るか送らないかの判断がしやすくなる、というメリットはとても大きいです。
ただし、メールはあくまでも簡易的な手法ですので、ご親族様など近しい方には改めて別に電話や口頭で丁寧に伝えられると良いでしょう。
《電話でお断りする場合》
電話で断る場合としては、ご親族や故人様のご友人などの親しい方にお断りするときに使えます。
メールよりは幾分丁寧ですし、もし相手がどうしても弔電を送りたいとおっしゃる場合はその事情を詳しく聞いて判断することもできます。
また、会社関係の方にも、正確に再度情報を伝えるため電話しておくと、会社としても判断に困らなくて済みます。
《口頭でお断りする場合》
一番丁寧な断り方で、再確認の意味合いとしても使える手法です。
メール・電話・口頭のうちどれか二つを用いるだけでも確実に情報が伝わり、会社関係にしてもご親族にしても、誤って弔電を送ってしまう事態を防げる可能性が高まります。
【弔電を辞退する際の文例】
さて、弔電を断るときによく使われる手法と、その手法を使う相手は前述の通りです。
次は、会社とご友人に対して弔電辞退を伝える際の、具体的な文言の一例を書いていきたいと思います。
ですが、基本的に双方とも文言は似ていますので、状況に応じて中身を変えてみると良いかと思います。
《会社に辞退を伝える場合》
会社関係の方に弔電を辞退される旨を伝える場合は、家族葬で執り行うという旨を伝えておけば大丈夫です。例として、このような文言はいかがでしょうか。
※会社に辞退を伝える場合の例文※
「通夜及び葬儀・告別式は遺族の意向としてご遺族・ご親戚中心の家族葬にて執り行いますので、ご会葬はお控えいただきますようお願い致します。
弔電等につきましても、ご辞退させていただきたいと思います。」
《友人に辞退を伝える場合》
故人様のご友人からの弔電をご辞退される場合は、故人の遺志で辞退、という旨を伝えると良いでしょう。
前述の家族葬を理由にするのも手ですが、故人様本人のご遺志、とされた方がご友人の方もより納得されるでしょう。
※友人に辞退を伝える場合の例文※
「通夜及び葬儀・告別式は故人の遺志としてご遺族・ご親戚中心の家族葬にて執り行いますので、ご会葬はお控えいただきますようお願い致します。
弔電等につきましても、ご辞退させていただきたいと思います。」
【弔電をお断りしても送られてきたら?】
明確に弔電を辞退する旨を伝えたにも関わらず、それでも弔電が来た場合は、それを断ってはいけません。
殆どの場合は、故人様に対するお悔やみの思いが強く、どうしても弔電を送りたかったという思いを抱えていらっしゃることが多いです。
これを無理に断っては大変に失礼ですので、ありがたく弔電を頂きましょう。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか?
弔電を送られる方も、お悔やみの思いは葬儀に参列した方と同じくらいにあります。
ですので、基本的には弔電は断らずに、一緒に冥福をお祈りされるのがベストです。
しかし、この忙しい時代において、ますます家族葬のニーズは高まっています。
その中で、ご葬儀にどうしても行けないからせめて弔電を送りたい、家族だけで執り行うから弔電は要らない、読者の皆様も立場によってこういった思いを抱くことが、今後多々あるかもしれません。
葬儀のたびに、必ずしも頻繁に送ったりもらったりするものではありませんが、もしもの知識として頭に置いておくと、役に立つと思います。