葬儀後の一番大きな法要とも言える、四十九日法要。
亡くなった日から数えて49日目に行う仏教上の行事です。
節目として大変重要な儀式で、この日にお墓にお骨を収める「納骨」を行うことが一般的です。
現在では、仕事などの事情により四十九日当日に集まるのは難しいのが現実ですので、その付近の週末や祝日に合わせて執り行い、この日は近隣の親族だけでなく、遠方の家族や親族をお呼びすることも多いです。
現代では核家族化で遠方に住む親族なども多いこともあり、四十九日に参列する人が遠方から参加することも多くなっています。
その場合の車代、滞在費は実費?施主が負担すべき??
というのは施主、参列者共に気になるものですよね…
結婚式などの祝いの場では招待する側が交通費、宿泊費を負担することが基本となっていますが、葬儀や法要の場ではどうなのでしょうか?
順番に見ていきましょう。
遠方からきた親戚の交通費は誰が負担する?
施主がこれを負担するかどうかは明確な決まりやマナーはなく、判断が分かれるところです。
その上で結論から言うと、出席者側の負担というのが一般的です。
基本的には、葬儀や法要など悲しみの席は招待されるものではなく、訃報を聞いた人が故人を偲び自発的に参列するという趣旨のものです。
お通夜や葬儀時の香典で新札を使用するのが非常式とされるのも、「突然の訃報に新しいお札を用意する時間がなかった」というのを表するものであるように、法要も施主からの案内を持って出席するけれども、基本的には自発的なものであるべきです。
法要は仏教上の行事ですので、参列者は招待を受けたとはいえ、お客様ではないというのを基本に考えましょう。
さらに四十九日法要ともなると、お通夜や葬儀と違って近い身内だけが集まるものです。
故人の兄弟や子供がほとんどですので、施主が兄弟や叔父、叔母に交通費や宿泊費を払ってまで来てもらうというのは考えにくいです。
ただでさえ、施主は法要の設えや段取り、さらには故人が亡くなってから慌ただしい日々を送ってきています。
ですから親族は少しでも負担をかけないようにと多めの香典やご仏前を用意するのです。
あくまでも法要は故人に敬意を払い、冥福を祈るための儀式です。
遠方で交通費や宿泊費の負担になるのであれば、参加人数を少なくしたり、場合によっては辞退するなどして施主に必要以上の負担をかけないように気をつけましょう。
もし欠席する場合はご仏前を用意してお送りするなど敬意を表せば失礼にはあたりません。
ただし、こういった場合はお互い様ですので近い身内であるほどよく話あったり、相談できる年配者がいればよく話を聞いてみると良いですね。
冠婚葬祭のしきたりやマナーは親族や地域性によって考え方が分かれます。
中にはこういったしがらみをなくすため、交通費は参列者負担、その代わりお布施、供物、供花などは不要。
施主は会食以外の費用負担はしなくて良い。
という暗黙の了解を取っている地域もあります。
そのように、地域性や各家庭のしきたりや親族間の風習や習慣、またその時の経済状況などもありますので一概には言えないのが現実です。
遠方からきた親戚の宿泊費は誰が負担する?
最近では遠方であっても、新幹線や飛行機を利用できるようになり日帰りできる環境も整っています。
ですがやはり宿泊が必要な場合も多く、遠方であればあまり頻繁に会えない親族様ですのでせっかくだから、と宿泊される場合も多いでしょう。
宿泊費に関しても、交通費と同じ考え方が一般的ですが、宿泊を伴う場合は交通費はお互い様、宿泊費は施主が負担するという考え方もあるようです。
それには特に決まりやマナーはなく、ご親族の間での風習や慣習、前例に拠るところが多いのが現実です。
また、施主の都合により四十九日法要を行う時間が朝早かったり、遅い時間となり宿泊を余儀なくされる場合もあります。
その場合には少し気を使って宿泊代の一部を負担する、というのが必要となる場合もあるかもしれません。
宿泊費といってもセレモニーホールなどは格安、もしくは無料で宿泊できる設備があるところもありますし、せっかく来ていただいたのでご自宅でお泊まりいただく、という手もあるでしょう。
とはいえ、家族や親族の形も様々ですのでこの限りではないでしょう。
各家庭で考え方は違うものですので、よく親族で話し合うと良いですね。
以前の葬儀や四十九日の場合はどうだったのかということを知る年配の親族に聞き、前例に従うのが間違いがありません。
宿泊場所は抑えておくべき?
宿泊が必要な場合、宿泊の場所は抑えておいたほうが良いでしょう。
宿泊を伴ってまで来られる方は遠方の方がほとんどです。
いくらインターネットが普及しているとはいえ、土地勘のないところで宿泊場所を用意してください、というのは親切ではありません。
法要が行われる場所の近くや式の時間との兼ね合いで交通の便の良いところなど、地元の人でなくてはわからないこともたくさんあります。
事前にご希望を伺った上で、交通の便の良いところをご用意しておくのが親切でしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
冠婚葬祭でのおつきあいは、「おたがいさま」の繰り返しです。
あまりに気を使いすぎて余計に負担したり心配をするのは、かえって先方に対して失礼になることも考えられます。
とはいえ、遠方からわざわざ四十九日という儀式のために足を運んでくださった事に対する感謝の気持ちを持って対応するようにしたいですね。