家族葬のお布施の相場ってどれぐらいなんだろう。
家族葬のお布施の渡し方や内訳が知りたいな
こんな疑問に答えていきたいと思います。
この記事でわかる事
- 家族葬でのお布施の相場
- お布施の内訳
- お布施の渡し方
- 2箇所以上のお寺にお布施を渡すケース
- 僧侶が複数人きた時のお布施の金額
昔は個々の家庭とお寺様の距離が比較的近く、これぐらい渡せばいい、というのがなんとなく分かっていた方も多かったのですが、今はそこまで密接な関係になっている家庭は多くありません。
葬儀の費用のように見積書を作ってもらえるわけでもなく、いざお寺様に聞いてみても「お気持ちで十分です」と、ほとんど具体的な額を答えてくれない場合も少なくありません。
そこで今回は、お布施の中でも「内訳」や「渡し方」などの部分について焦点を絞って書いていきたいと思います。
目次
【家族葬でのお布施の相場金額はいくら?】
これは以前の記事でも書いたことがありますが、お布施の具体的な額はお寺様によって異なる為、一概に「○万円です」と言うことができません。
おまけに平均の額も地方ごとにバラバラです。
こちらのサイトにhttps://www.osohshiki.jp/column/article/135/、その情報が記されているので参考として紹介させていただきます。
お布施の全国平均は47万円となっているものの、愛知県などの東海地方は65万円、九州は29万円と大きく差があります。
ですが、前述の通りこれはあくまでも平均の額です。
格式の高いお寺様になると、100万円を超えるところもあるのです。
確実な方法としては、お寺様に直接尋ねてみることです。
これは決して失礼なことではないので安心して尋ねられてください。
それでも分からなければ、ご親戚の方に、前回そのお寺様を呼んだ際にどれくらいお布施を支払ったのかを尋ねることです。
急に額が変わることはほとんど無いので、お布施の対応はこれで全く問題ありません。
家族葬だと、規模が小さいのでお布施の額も少なくなるのでは、と思われる方もいらっしゃると思います。
しかし、お布施は「来てもらったこと」に対するお礼なので、通常のご葬儀と同じ額のお布施を渡すのが一般的です。
なので、家族葬だからといってお布施を安く済ませることには、あまり期待されない方が良いでしょう。
ただ、どうしても金銭的に厳しいのであれば、一度お寺様にご相談をされてもいいかもしれません。
【お布施の内訳は?】
一口に「お布施」といっても、実はこれは葬儀関係でお寺様にお支払いするお金を総称した呼び方で、内訳としていくつも種類があります。
代表的なものを列挙していますが、地方やお寺様によっては内訳の中に入っていないこともあります。
これは、お寺様が受け取りを断っている場合と、別に払う必要がある場合と二パターンの可能性があるため、事前に確認をされた方が良いでしょう。
《読経料》
その名の通り、お経を読んで頂いたことに対するお礼金です。
一般的にお寺様がお経を読まれる機会は、
- 枕経(故人様が亡くなってすぐにあげるお経 しないこともあります)
- お通夜
- ご葬儀
- 初七日
の三回、もしくは四回あります。
読経料には、これら料金がまとめて入っているので分けてお支払いする必要はありません。
総額としては大体15万円~30万円くらいが平均とされています。
《戒名料》
故人様がお亡くなりになると、「戒名」(浄土真宗では「法名」。日蓮宗では「法号」)という極楽浄土での名前を付けて頂けます。
その命名にかかるお礼金が、戒名料です。
戒名には、実はランクがあります。
これは「院号」と呼ばれ、高いランクの名前を付けてもらおうとすると、それ相応の金額がかかってきます。
昔はランクの高い「院号」を付けてもらうと、それだけお寺様に沢山お金を納めて貢献できた、という一種の勲章のような意味合いがあったのです。
では、具体的にどのランクがどのくらいの額になるのかと言うと、これは宗派やお寺ごとに異なってきます。
こちらのサイトにhttps://www.osohshiki.jp/column/article/96/、一般的な戒名料の額が分かりやすく記されているので、紹介をさせていただきます。
参照:https://www.osohshiki.jp/column/article/96/
表の一番左にある「信士・信女」というところが、最も安くて一般的な「院号」となります。
浄土真宗だと20万円からですが、浄土宗や曹洞宗だと30万円からとなっています。
最も高ランクの「院居士・院大姉」ともなると、どの宗派も100万円を超えています。
戒名をつけるにあたってのルールとして
- 先祖より高いランクの院号はつけない
- 夫婦で入る場合、ランクは同じものにする
という決まりがありますが、これさえ守ればどのランクの院号を付けるのも自由です。
ランクの高い・低いで極楽浄土に行けない、などということはありません。
なので、資金面での状況を鑑みてお好みの院号を付けて頂ければと思います。
どのランクの院号がいくらになるかが気になられる場合は、お寺様に聞いてみると良いでしょう。
《お車代》
これは、いわば交通費にあたります。
公共交通機関の運賃や、ガソリン代、ホテルなどに宿泊された場合はその費用もこの中に入ってきます。
実費で払うか、決まった額(大体5千円~1万円)をお渡しするかは、お寺様と相談されると良いでしょう。
《御膳料》
お通夜やご葬儀の合間には、「通夜振る舞い」、「精進落とし」(精進揚げ)といったお料理を食べる機会があり、お寺様がこれを召し上がられない場合は、代わりにこの御膳料をお渡しします。
お寺様も一緒に召し上がられる場合は、お渡しする必要はありません。
《お心付け》
これはいわゆるチップです。
必ずしも払う必要はありませんが、色々と良くしていただいた時には、お渡ししても良いかもしれません。
お布施と言うとどうしても「値段が高くて大変だ」と思われる方もいらっしゃると思いますが、こうしてみると内訳にもちゃんとした理由があるので、少しは納得いただけたのではないでしょうか。
【お布施の渡し方は?】
渡し方としては、まず封筒の表書きに『御布施』、その下にお渡しする方の名前を書きます。(書き方の詳細につきましては、以前の記事をご確認ください。)
関連記事:葬儀でのお布施はいつ渡す?書き方や金額の相場も紹介!
基本的には一括でお渡しすることが多いので、お渡しする額を全て入れます。
そして、お渡しするタイミングですが、葬儀・初七日が終わった時にお渡しするのが一般的です。
より丁寧な渡し方ですと、後日お寺様に直接出向いてお渡しするのが良いでしょう。
もし、予めお寺様から指示があった場合は、それに従ってお渡しする形で問題ありません。
【お布施を二か所以上のお寺に渡すことがある?】
例えば東京で葬儀を執り行うものの、実家のお寺様が福岡にあって、葬儀に行けない状況があったとします。
この時は、福岡のお寺様もしくは葬儀社の紹介で、別のお寺様が葬儀に来ていただくのですが、ここで戒名の問題が発生します。
命名を、紹介先のお寺様がされる場合は何も問題はありません。
しかし、福岡のお寺様がされる場合は、戒名料は福岡のお寺様にお渡ししなければならないのです。
つまり、戒名料だけは福岡のお寺様。
それ以外は、紹介先のお寺様にお渡ししなければなりません。
この場合の戒名料の渡し方については、お寺様とよく相談をされて決めましょう。
このように状況次第では、お布施の一部を、別のお寺様にお渡しする場合もあるので注意が必要となります。
【お坊さんが複数人来られた場合】
地方によっては、ご葬儀の際にお坊さんが複数名で来られることもあります。
一人がメインとなって、残りの方が補佐的な役割をするのです。
勿論その場合は、お寺様の方から事前に「何人で行きましょうか?」という確認がありますので、頼んでないのに来るということはありません。
この場合は、通常通りにお布施の額を確認し、さらにそのうちどれくらいをメインの方にお渡しするか、補佐の方にはどのようにしてお渡しするかも確認しておきます。
この時のお布施の額ですが、来られる人数によって二倍、三倍、と高額になることはほとんどありません。
なので、多く呼ばれても金銭的にはあまり問題ないでしょう。
ただ、お車代と御膳料に関しては、人数分用意をされておいた方が良いでしょう。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか?
今回は、お布施の額や内訳について書いてきました。
普段からお寺様との関わりが無いと、どうしてもわかりにくくて面倒なところがありますが、ご葬儀に呼ぶ以上は、やはりお渡ししなければならないものです。
特に納骨先だったり、今後も一周忌などの法要でお世話になるお寺様なのであれば、なおさら丁寧に対応しなければなりません。
ですがお寺様も鬼ではないので、ご相談があれば丁寧に答えてくださいます。
なので、少しでもご不安があるのであれば、一度相談をされてはいかがでしょうか。