皆様は、生前整理と遺品整理の違いを知っているでしょうか?
どちらも所有物を整理するという点は同じですが、比較してみるとさまざまな違いがありました。
今回は、生前整理と遺品整理の違いについてわかりやすくご紹介致します。
目次
遺品整理と生前整理の4つの違い
生前整理と遺品整理の違いを簡単に言えば、‘‘持ち物の所有者が死亡いるかどうか‘‘という事になります。
しかし、比較してみるとそれぞれ特徴や違いがあります。
違いをより分かりやすくするために表を作成しましたので参考にしてください。
①タイミングの違い
・生前整理・・身体が元気な間に持ち物の所有者自身が実施します。
・遺品整理・・故人が亡くなった後に遺族が実施します。
②処分量の違い
生前整理と遺品整理どちらも内容はほぼ同じなのですが処分する量は大きく違ってきます。
処分する量が少ないのは、断然生前整理の方になります。
なぜなら、生前整理の場合は所有者本人が生きているため、所有物をまとめて捨ててしまうと生活支障が出てくるからです。
遺品整理の方は、所有者が死亡しているため不必要な物はすべて処分しなくてはいけません。
タンスなどの大きな家具や家電製品をまとめて処分する必要があります。
生前整理と遺品整理でゴミの処分量が違ってくる以上、処分の仕方については色々と検討しなくてはいけません。
③作業後の清掃の有無について
作業後の清掃については違いがあります。
まず生前整理の場合は、作業をする本人が生きている為、特殊清掃の必要はありませんが、遺品整理で故人の室内が汚れている場合は特殊清掃が必要になります。
※故人と同居している場合や腐敗する前に見つけた場合は、特殊清掃の必要はありません。
④精神的負担はどちらの方が重いか?
※生前整理では、自身が死亡する前に作業を行う為、家族など周りの精神的な負担は、ほとんどありません。
また、迷った時は家族に相談しながら作業ができます。
※遺品整理は、所有者が死亡してしまった後になるので、残された家族が精神的な負担を抱えてしまう可能性が大きいです。
特に、現実をなかなか受け入れられない状態で故人の所有物を整理しなければいけない為より負担がかかってしまいます。
また、遺品整理の場合、
- 不動産相続について相談できない。
- 特殊清掃が必要になる。
- 財産トラブルが発生しやすい。
- 整理する時間を確保できない。
- 故人に借金があれば、法律家に相談しなくてはいけない。
など様々な問題があります。
もし、遺品整理で負担を感じた場合は信頼できる業者に頼みましょう。
遺品整理とは
遺品整理は故人の所有物を整理または処分することです。
残された遺族の方にとっては、故人の所有物を整理する事によって気持ちのひと区切りにもなります。
しかし、整理すると言っても遺品は種類も多いですし、大変な時間や労力を使いますよね。
下記では、遺品整理について知っておきたい情報を紹介しているので是非、参考にしてください。
〇遺品整理を始める前に気を付ける事は?
故人の物は、全てゴミとして廃棄してはいけません。
特に仏壇・アルバム・手作り品など故人にとって想い入れの強い物を処分する時は、きちんと供養してからにしてください。
また、遺品は粗末にせず適切に仕分けしてから行います。
〇遺品整理の3つの手順
①スケジュールを立てる
最初に、遺品整理の開始と終了の期間を決めておきます。
また、故人の住んでいた部屋の広さ・所有物の量などによって時間は異なってきます。
特に賃貸物件や老人施設で暮らしていた場合は、不動産管理会社や施設に退去日を確認してから遺品整理を行わないといけません。
ゆとりを持って整理をする為にも前もって退去日は確認しておきましょう。
故人が一軒家に住んでいた場合は、焦らずに遺品整理を行う事ができますが「いつまでに終わらせるか」と期間を決めておかないと作業はなかなか進みません。
②遺品の仕分けをする
遺品の仕分けは、大まかでかまいません。
「残すもの」と「処分するもの」に分けてください。
③「残すもの」と「処分するもの」をさらに細かく仕分ける
「残すもの」と決めた品は選別して親族や友人などに譲ったり自身が持ち帰ったりします。
「処分するもの」と決めた品は、「売る」or「捨てる」に仕分けします。
〇遺品整理を行う時期
遺品整理は、四十九日後や1周忌の法要の時期に合わせて行いましょう。
法要の時期には、遠くに住んでいる親族も集まります。
親族が集まっていれば遺品を直接渡す事も出来ます。
〇形見分けするポイント
※まず遺族で形見分けできる品物を選びます。
一般的に形見分けの対象となるは以下の品物です。
- アクセサリー
- 貴金属
- 衣類や着物
- ブランド品
などとなっています。
形見分けは、贈る相手の性別・年齢・趣味なども考えて選びます。
品物は、法要など遺族が集まった時に直接渡すか郵送で送りましょう。
遺品になるのでプレゼントとは異なるのでラッピングはせず、奉書紙や半紙で包みます。
〇「処分するもの」の分類方法
「処分するもの」に分けた品物の中で、未使用・まだ使えるものなどは、リサイクルショップや買い取り業者に売りましょう。
古くて使えず処分する品物は、自治体のルールに従って廃棄してください。
処分するか迷った時は、とりあえず「保留ボックス」を作っておきそこへ入れていきます。
そして、後日に改めて考えます。
〇故人が賃貸物件に住んでいた場合の注意点
早めに管理会社や大家さんに連絡をします。
そして、退去日や原状回復を必ず確認しておいてください。
故人が賃貸物件に住んでいた場合は、限られた時間内で遺品整理をしなくてはいけません。
作業が期間内に終わる可能性がない場合は、信頼できる業者に依頼するのがお勧めです。
〇遺品整理をする上での5つの注意点
①遺言書が見つかった場合
遺言書が見つかったときは、勝手に開封してはいけません。
なぜなら、遺言書は家庭裁判所に持ち込んで検認してもらう必要があうからです。
先に開封してしまったら親族間で揉める場合があるので注意してください。
②高価なものを処分する時は
高価なものは、買い取り業者に査定してもらいましょう。
‘‘売れない‘‘と思っていた物でも、高値で買い取ってもらえる場合があります。
③仏壇の処分方法
お寺で「閉眼法要」「魂抜き」をしてもらい、きちんと供養してもらってから処分しなくてはいけません。
処分する時は、お寺・仏壇業者・仏壇処分業者などに依頼してください。
④個人情報の処理
故人の健康保険証・年金証書・免許証・クレジットカードなどは、個人情報になるので、きちんとした手順で処理しなくてはいけません。
役所や年金事務所、警察署など決められた場所で手続きを行い処理します。
クレジットカードは、クレジットカード会社に解約の手続きをしてから廃棄または返却します。
特にクレジットカードの場合は、残りの支払いが残っているかもしれません。
解約時にきちんと確認しておきましょう。
⑤故人のデジタル遺品
デジタル遺品(スマホ・パソコン・SNS・ブログ等)も、きちんと処分しなくてはいけません。
放置しておくと悪用されたりお金を請求されたりすることもありますので注意してください。
もし、故人がブログやTwitterなどのSNSを利用しており、パスワードやIDなどがわからない場合は、デジタル遺品の処分を行う専門業者がありますので依頼してみてください。
〇遺品整理を業者へ依頼する
忙しい方など業者に依頼しようと考えている方も多いと思います。
業者に依頼した場合のメリットは以下のようになっています。
- 遺品整理に長時間をかけなくても良い。
- 重たいものなど運べない荷物も運んでもらえる。
- 仕分けや処分もしてもらえる。
- 遺品の供養や部屋の清掃も頼むことができる。
- 精神的な負担を減らせる
〇遺品整理業者の選び方
業者に頼むなら安心できる所に頼みたいですよね?
選ぶときに特に重要となるのは以下の10点となっています。
- 無料で見積もりをしてくれる。
- 料金を明確に表示してくれる。
- 遺品整理の他に買い取りや回収も行っている。
- 清掃もしてくれる。
- 古物商・産業廃棄物収集運搬などの許可証がある。
- 遺品整理士などの資格を持っている。
- 万が一に備えて損害賠償保険に加入している。
- 遺品供養も行っている。
- 強引に契約させない。
- 依頼したい作業以外のオプションを進めてこない。
以上になります。
騙されない為にも、これらを満たしている業者を選ぶようにしてください。
〇悪質な業者の見極め方は?
- ホームページに会社の住所や電話番号を明記されていない
- 会社概要に資格や許可番号などがない
- 見積もり後に強引に契約させる
- オプションをしつこくすすめる
となっています。
少しでも怪しいと思ったら断るようにしてください。
〇遺品整理の料金相場
頼んだ場合の料金は業者によって異なります。
また、荷物の量・部屋の間取りなどによっても変わってきますので事前に明確な料金を教えて貰いましょう。
※下記はある業者の料金プランです。
参考にしてください。
1LDK・・・10万円程度
2DK・・・13万円程度
となっていました。
〇業者に頼んだ場合の流れ
- 電話やネットで無料見積もりの予約をする。
- スタッフが訪問し見積もりを提示する。
- 金額に納得がいけば作業を依頼する。
- 遺品整理を行う。
- 不用品の買い取り&回収・清掃をする。
- 最終確認後に問題がなければ清算する。
以上の流れになります。
生前整理とは
生前整理は、自身が生きている間に死後のことを考え自分の私物や財産の整理をすることをいいます。
最近は、若い世代の方でも生前整理をされています。
人生なにが起きるか分かりません。
もしもの時を考え準備を始めるのは決して悪いことではありません。
また、生前整理を始めるのは身体なうちが良いでしょう。
〇生前整理をするメリットは
- 死後の願いを確実に叶える事ができる。
- 残される人の負担を減らす事ができる。
- 入院や事故などいざという時に困らない
- 親族間の相続争いを回避できる。
- 高齢になり判断能力が落ちても安心。
など以上となっています。
〇生前整理の手順
①「必要なもの」「不要なもの」「保留するもの」を分ける
片付けをする前でも物が多いと作業がなかなか進まないですよね。
まず「必要なもの」と「不要なもの」と「保留するもの」3つ箱を作り仕分けしていきます。
「保留するもの」の箱に入れた物は亡くなった時に廃棄して欲しいなど希望を書いて置いてください。
②貴重品は一箇所にまとめる
保険証書や契約書など貴重品は、一箇所に固めて保管するのがお勧めです。
そうしておくと、急な入院などになった場合にもどこに貴重品があるのかすぐに分かるので安心です。
③財産目録をつけておく
財産をお世話になった人にあげたいと思っている場合は、目録にまとめておきましょう。
財産目録を前もって作っておけば、相続人の手間も減らすことができます。
④エンディングノートを作成する
エンディングノートは、遺言書とは別のものになりますが、自分の死後にどのようにしてほしいかを遺族や親族に指示することが出来ます。
エンディングノートは書店で購入可能です。
⑤遺言書の作成
遺言書とは、自身の死後に財産の処分をどのようにしてほしいか、また未成年の子どもがいる場合、誰に世話をしてほしいかなどを記載した法的な書類のことをいいます。
遺言書がある場合、遺言に沿った遺産分割が行われます。
〇生前整理をする上での2つの注意点
①一度に全ての物を整理しない
生前整理は遺品整理と同様に時間がかかる作業です。
時間がかかり焦って早く終わらせたいという気持ちから深く考えずに物を捨ててしまうと後々、後悔してしまう事が多いです。
特に書類などは、よく見ずに捨ててしまい重要な書類だったら大変です。
生前整理をする場合は、焦らずゆとりを持って少しずつ進めていきましょう。
②デジタル品をどうするか考える
スマホやパソコンの普及でSNSを利用されている方も多いと思います。
ブログやTwitterなどをしている場合は、エンディングノートに暗証番号やパスワードを書いて置き自分の死後、削除してもらうように伝えておきましょう。
また、あらかじめ見られたくないデータがある場合は削除しておくのをお勧めします。
〇業者を利用する場合は?
業者の選び方などは遺品整理の所で紹介したのと同じです。
また、悪徳業者の見極め方や流れについても詳しく記載していますので、遺品整理の部分で書いてある内容を参考にしてください。
もし、一人で業者を選ぶのに不安を感じる場合は家族や親族に見積もり時に立ち会ってもらい安心できる業者か一緒に見極めて貰えばより安心です。
〇生前整理の料金相場
業者によって料金は違います。
また、遺品整理と同様で荷物の量・部屋の間取りなどによっても変わってきますので、前もって明確な料金を提示して貰えば安心できます。
下記の料金は目安になるので是非参考にしてください。
1K・・3万円〜
1LDK・・6万円〜
2LDK・・9万円〜
3LDK・・14万円〜
1K・・3万5千円〜
1LDK・・8万円〜
2LDK・・15万円〜
3LDK・・20万円〜
1K・・4万円〜
1LDK・・9万円〜
2LDK・・15万円〜
3LDK・・21万円〜
まとめ
今回は、生前整理と遺品整理の違いについて解説したのですが、いかがだったでしょうか。
調査した事をまとめると
・遺品整理は、故人の所有物を遺族が整理すること。
・生前整理は、所有者自身が生きている間に整理すること。
・遺品整理は、四十九日後など親族が集まる時期に合わせて行う。
しかし、故人が賃貸物件や施設で暮らしていた場合は退去日を確認し期間内に行う。
・遺品整理の手順は「スケジュールを立てる」⇒「遺品の仕分けをする」⇒「さらに細かく仕分ける」となっている。
・生前整理の手順は「必要なもの、不要なもの、保留するもの」を分ける⇒「財産目録をつけておく」⇒「貴重品は一箇所にまとめる」⇒「エンディングノートを作成する」⇒「遺言書の作成」となっている。
・遺言書が見つかったときは、勝手に開封してはいけない。
・遺品で高価なものは、買い取り業者に査定してもらう。
・仏壇を処分する時は、お寺・仏壇業者・仏壇処分業者などに依頼する。
・故人の健康保険証・年金証書・免許証・クレジットカードなどは、個人情報になる為、きちんとした手順で処理をする。
・故人のSNS(ブログやTwitterなど)のパスワードやIDなどがわからない場合は、デジタル遺品の処分を行う専門業者に依頼して削除してもらう。
・遺品整理の方が処分量が多い。
・遺品整理で故人の室内が汚れている場合は特殊清掃が必要になる場合もある。
・生前整理より遺品整理の方が大きい負担がかかる。
・遺品整理や生前整理の負担が大きく悩んだ場合は信頼できる業者に依頼する事を検討する。
以上になります。
生前整理より遺品整理の方が大変だと分かったので、自身が元気で生きているうちにできるだけ身の回りの整理はしておきたいですよね。
悩んだ場合は、記事を参考にして頂ければ幸いです。