ご葬儀の時に必ずと言っていいほど見かけるのが、お花です。
祭壇自体がお花で作られていたり、お棺の周りをぐるりと囲んでいたりします。
他にも、葬儀に参列された方は見たことがあるかもしれませんが、その祭壇の横にお花がスタンドで飾ってあったりします。
これは「供花」と呼ばれるもので、お花の上にはボードで「孫一同」、「株式会社〇〇 ××部一同」、「代表取締役 ○○」などとお花を送った方の名前が書かれます。
こういったお花は当然タダではなく、ご家族様や参列された方がお金を出すことで飾られるものとなります。
しかし、お花代はこれだけではありません。
お香典の代わりにお花代としてあとでご家族様に送ることもあるのです。
両方とも同じお花代ではありますが、当然違いもあります。
読者の皆様の立場や状況によっても、どちらで送った方が良いのかは変わることもありますので、事前に知っておいて損はないはずです。
今回は、このお花にかかるお金、「お花代」について書いていきたいと思います。
目次
そもそもお花代とは?
読者の皆様の中には、『お花代』という言葉自体を初めて聞かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まずは『お花代』について解説していきたいと思います。
『お花代』とは、その名前の通りお花にかかる代金となります。
しかし、ご葬儀でお花が出てくるタイミングは多く、冒頭の供花以外では、
- 枕花(まくらばな 故人様を納棺するまでの間、故人様の枕元に置く花)
- 花輪(はなわ 斎場の周囲を飾るお花で、地域にもよっても変わる)
- 献花(けんか キリスト教の葬儀では参列者が焼香の代わりに故人様に捧げる)
等があります。
ただ、『お花代』といえば一般的には「供花」か「香典の代わりに払うもの」を指すので、葬儀社や周囲からの声、伝統的な風習などが無ければ、そこまで複雑であることはあありません。
今回書いていく内容も、この二つに限定したものとなります。
お花代のマナー
お花代に限らず、家族葬でお金や物をお渡しするときの全般に言えることですが、ご家族様のお気持ちを考えることを忘れてはいけません。
お花代に関していえば、あまりに高額のものを用意すると、ご家族様に「お返しをしなければいけない」とかえって気を使わせてしまいかねません。
詳しくは後述しますが、相場に応じてお花代を出すことが大切です。
また、事前に案内で「供花をお断りします」などと書かれていた場合は、送らない方が良いでしょう。
ご家族様としては、周囲に迷惑を掛けたくないという考えがあるかもしれません。
もし、どうしても送りたい場合は、斎場に電話して事情を聞くのも一つの手です。
例えば、斎場の広さの関係で置くことができない、などの理由が考えられます。
そこでさらに喪家様と話されたうえで、改めて供花を送るか否かのやり方を考えることもできます。
家族葬に親族として参列する場合は、お花代を応分に負担することがあります。
その際は、言われた額を負担する形で問題ありません。
この時、お香典の代わりとしてお花代を支払いすることもできますが、丁寧さを考えると、お香典とは別にお渡しするのが無難です。
お花代の相場はどれぐらい?
前述した通り、お花代を送るにあたってはその相場を考えねばいけません。では、具体的にどれくらいの相場となっているのでしょうか。
《香典の代わりにお花代を渡す時の相場》
訃報を後から知って、お香典の代わりに送るのがこちらでの主なやり方です。
相場としては通常のお香典の基準にならって包む形となります。
これは参考ですが、故人様との関係が、
・両親の場合は100,000円
・祖父母の場合は10,000~30,000円
・職場関係の場合は5,000~10,000円
・友人・知人の場合は5,000~10,000円
となります。
また、香典返しと同じようにお礼の品が後で送られることも考えられますので、それが不要の場合は手紙などで一言添えておくと良いでしょう。
《供花の代わりにお花代を渡す時の相場》
祭壇の横に飾る供花としてお花代を送る場合は、喪家様や葬儀社などに一度ご相談をされるのが良いでしょう。
そのうえでお花を手配し、依頼した先へお花代を渡す形になります。
相場としては15,000円前後で、香典とは別に包みます。
包む際には、不祝儀袋か白い無地の封筒でお包みします。
お花代の書き方について
そして封筒で送る以上、中身がお花代であることを書いて示す必要があります。
勿論、これにも書き方のマナーがあります。
しかし、基本的には手紙の時と書き方は似ているので、割とイメージしやすいと思います。
まず、表書きは『御花代』もしくは『御花料』と書きます。
中には『御供花料』などと書く場合もありますが、一般的には最初の二つが良く用いられます。
次に名前ですが、不祝儀袋の場合はお香典と同じように、名前は水引きの下に縦に書きます。
封筒の場合は、封筒の半分より下側の中央に縦書きで記入します。
会社名も入れて書く場合は、名前の右側に会社名や所属部署名を書き、2行になるようにします。
このとき名前の方が中央にくるように書きましょう。
書き方の注意点として、表書きである「御花代」よりも少し小さく名前を書くようにしてください。
そして時には『連名』、つまり複数人の名前で御花代を送ることもありますが、この場合は人数などで書き方が変わってきます。
例えば夫婦で連名の場合は、ご主人の名前を中央に書き、奥様の名前を左に書きます。
この時奥様は名前のみの記入で大丈夫です。
連名が3人までの場合は、目上の人を右側から書いていきます。
一番右の人の名前が中央にくるようにし、その左側に残りの方のお名前を書きます。
4名以上の場合は「○○一同」や、代表者名を中央に書き左下に「他○名」と書きます。
その際、他○名という文字は代表者名よりやや小さめに書くと良いでしょう。
また、この際に全員の名前・住所・金額を書かなければなりません。
不祝儀袋を使用した場合は、内袋があるのでそこに記入します。
白封筒の場合は、別紙に書いて同封します。
人数が多く、不祝儀袋の内袋に書ききれない場合も、半紙などの別紙に記載して同封します。
こちらも右側から目上の人を書いていきます。
最後に、書くのに使う墨は薄墨を使用しましょう。
これは、お香典と同じマナーとなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
家族葬でのお花代とは?相場やマナーを紹介!
という内容で書かせて頂きました。
『お花代』を送ることによって、故人様やご家族様にお悔やみの気持ちを伝えられ、尚且つ葬儀の場を少し華やかにできます。
葬儀に規模は関係ありませんが、もし資金に余裕があるのでしたら、こういった供花を送ってみるのも良いかと思います。
葬儀社によっては、出棺の時に供花をお棺に入れて差し上げることもできます。(できるかどうかは、事前に葬儀社に確認されてください)
最後に故人様をお花で囲んであげたい、というお気持ちでお花代をご準備されるのも一つの手です。
しかし前述した通り、やはりご家族様のお気持ちが一番大事ですので、お花をお断りされるかどうかの確認だけはあらかじめしっかりと行ってくださいね。
高いお花を贈ることよりも、ご家族様のお気持ちを気遣って差し上げる方が、より一層大切なことなのです。