葬儀に参列することはそう多くないため、いざ参列する時に参列者としてのマナーや流れをしっかり覚えていない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
葬儀に参列する機会は突然やってきます。
それは亡くなられたご遺族の皆様にとっても同じです。
葬儀の時は礼儀作法をしっかり守り、ご遺族と共に故人の冥福を祈ることでその悲しみに寄り添うことができるようにしましょう。
最近では、家族葬や一日葬など小規模で限られた参列者での葬儀も増えてきましたが、ここでは一般葬についてご紹介させていただきます。
葬儀での参列者の流れ
通夜が夕方や夜にかけて行われるのに対して、葬儀は日中に行われるのが一般的です。
葬儀への参列に限らずですが、葬儀開式の20分前までには会場に到着するようにしましょう。
葬儀場の規模や参列者の人数、交通手段などにもよりますが、特に車で行かれる方は、駐車に時間がかることや渋滞なども考慮しておく必要があります。
※葬儀会場に着いてからの流れは以下の通りです※
・受付で御香典を差し出し、記帳を行う
・会場に着席する
・葬儀開式の15~20分前くらいには着席できるようにしましょう。
・ご僧侶が入場し、葬儀が開式となる
・ご僧侶による読経
・一般的に参列者は読経を静かに聞きますが、お寺や宗派などによっては参列者にもお教本が配られ、一緒に読経することもあります。
・弔辞・弔電の奉読
・焼香
・御焼香の流れは?
ご僧侶の御焼香に続いて、喪主・ご遺族や親族などの近親者・一般参列者の順番で行われます。
自分の順番が来たら、後ろの参列者の方に「お先に失礼します」と一言挨拶をして席を立ちます。
席を立ったら焼香台へ向かいますが、この時に中央の通路の真ん中を通らずに端を歩くようにしましょう。
基本的に左右どちら側か決まりはありませんが、自分の席側を通るとよいでしょう。
御焼香が済んだら一歩下がり、遺影に一礼し、向き直ってご僧侶、ご遺族に一礼し席に戻ります。
御焼香の際の手荷物はどうすればいいの?
手荷物は、葬儀場によっては焼香台の近くに手荷物を置く台を設置している場合もありますが、ない場合は手に持ったままでも構いません。
ですが、あまりにも大きなカバンや腕に下げれないタイプのカバンなどの場合は、サブバッグを利用するなど工夫が必要です。
・御焼香の作法
焼香台の手前で一旦立ち止まり、ご遺族に向かって一礼したあと、焼香台の前へ行きます。
焼香台の前まで来たら、遺影に一礼します。
右手の親指・人差し指・中指の三本で抹香を掴み、目を閉じて額の高さまで持ち上げたら香炉に抹香を落とし、手を合わせて一礼します。
宗派やお寺によっても変わりますが、一般的に三回同様に繰り返します。参列者が多い場合などは一回の場合もあります。
・御焼香の際、数珠はどうすればいいの?
葬儀の際の数珠は房を下にして左手で持つか、両手に掛けるのが一般的です。
仏教では‘右手(利き手)は良いこともすれば悪いこともする不浄の手’との思想があるように、左手は仏様の清浄な世界、右手は信仰の世界、すなわち私たちの世界を指しています。
ですので、御焼香の際は左手に数珠を持ち、右手で抹香を掴みます。
- 喪主挨拶
- 退席
司会者の案内に従って静かに退席します。
葬儀によっては、参列者の前にご遺族が退席して参列者をお見送りされることがあります。
この場合は、ご遺族の前まで来たら一礼し一言挨拶をして退席します。
参列者が多く退席に時間がかかる場合は、一礼するだけでも構いません。
受付時のマナー
・香典の準備
まずは香典の準備から覚えておきましょう。
葬儀での香典では新札は使いません。
新札を使うことは「死を予期していて前もって準備していた」とされます。
あまり汚い紙幣では返って失礼です。またどうしても新札しかない場合は、折り目をつけて包みましょう。
・不祝儀袋について
不祝儀袋の表書きは、「御香料」「御香資」「御香奠」と書いてあるものを使用しましょう。
下中央には自分の名前をフルネームで書き、裏には郵便番号、住所、氏名、金額を書きます。
住所や金額を書く際は、一、二、三など漢数字を使用します。
連名の場合は、右から目上の人を書くようにします。区別がない場合は五十音順で書きましょう。
不祝儀袋でも中包みが別にあるような場合は、中包みを入れた後は不祝儀袋の上が下に重なるように折ります。
・ふくさの使い方
香典はふくさに包んで持参するのがマナーです。
今では封筒型になったタイプのふくさもありますが、そうでない場合は包み方を覚えておきましょう。
ふくさの中央に香典袋を置き、右→下→上→左の順に折って包みます。
・香典の差し出し方
受付の人の目の前でふくさから出しても大丈夫です。
この時、ふくさから出した香典袋が自分のほうへ向いていたり裏を向いていないように、向きにも注意して出しましょう。
万が一ふくさを忘れてしまった場合などは、受付の前へ進み出る前に予めバッグから出しておきます。
・記帳
芳名帳に住所、氏名を丁寧に記帳しましょう。
挨拶はどうする?
葬儀に参列したとき、大きな悲しみを抱えるご遺族に対してどのようなお悔やみの言葉をかければよいのでしょうか?
普段言い慣れない言葉であるからこそ、きちんと知っておくことが大切です。
お悔やみの言葉を述べる時は、大きな声やハキハキしたような声ではなく、静かに述べましょう。
また、お悔やみの言葉はなるべく短くしましょう。
故人のことは知っていても、ご遺族とは面識がない場合などは、自分の名前と個人との関係を伝えることも忘れてはいけません。
では実際にどのようなお悔やみの言葉が使われているのでしょうか。
故人の年齢や亡くなった理由などにもよりますが、
「この度は、まことにご愁傷様でございます」
「心よりお悔やみ申し上げます」
などが一般的に用いられるお悔やみの言葉です。
必ずしもこう言わなければならないといった決まりはありませんので、故人を悼しむ気持ちや、ご遺族をいたわる気持ちを、心を込めて述べましょう。
・お悔やみで避けるべき言葉
通夜・葬儀などでは「忌み言葉」と呼ばれる、縁起の悪い使ってはいけない言葉があります。
「重ねる」「再三」「重ね重ね」「ますます」など、繰り返しを連想するような言葉。
「切る」「浮かばれない」など不吉な言葉。
これらの言葉は、縁起の悪いことや不吉なことを連想させる言葉ですので使わないようにしましょう。
また、「死んだ」「死去」「急死」「生きていたころ」など直接的な言葉は避け、「ご逝去」「突然のご逝去」「生前は」など言葉を言い換えるようにしましょう。
参列できない時や辞退する時はどうすればいい?
訃報の知らせを受けても、やむを得ない事情などで、通夜・葬儀告別式に出席できない場合もあるかと思います。そんな時はどう対応すればよいのでしょうか?
代理の人に参列してもらう
この場合、代理人になるのは自分の家族が基本になり、故人と面識がなくても問題はありません。
弔電を打つ
自分も代理人も参列できないときは、弔電を打つのも良いでしょう。
今では、電話やメールなどの様々な手段がありますが、こういう時こそ心のこもった弔電で弔意を伝えるのも意味のあることだと思います。
最近ではネットなどで弔電を申し込むこともできます。
訃報を受け参列できない場合はできるだけ早く送りましょう。
万が一訃報を受けるのが遅れ、通夜、葬儀・告別式までに弔電が間に合わない場合は、決して自宅に送ってはいけません。
葬儀後に自宅などへ電報が届くことは大変失礼にあたります。
この場合は弔電ではなく手紙(お悔やみ状)を送り、弔意と参列できなかったことへのお詫びの気持ちを伝えましょう。この際、香典を一緒に送ってもよいでしょう。
香典や供花を送る
弔意を伝える手段として、香典や供花を送ることも良いでしょう。
供花は意味合いとしては香典と同じですので、どちらかのみでも両方送っても問題ありません。
香典を送る場合は、現金書留で喪主宛てで自宅などに送ります。
お金を香典袋に包んでから封筒に入れることを忘れないようにしましょう。
香典袋と一緒に、お悔やみの言葉と参列できなかったことへのお詫びの気持ちを伝える手紙も同封すると良いでしょう。
供花や供物についてはこちらで詳しく解説しています。
関連記事:葬儀の際の供物の種類や選び方を紹介!渡し方や相場についても!
関連記事:葬儀での花の相場やマナーを解説!種類や注文の仕方についても!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
通夜や葬儀・告別式へ参列する機会はいつも突然やってきます。
そんな時のために、葬儀の流れを理解したうえで、香典や挨拶のマナー、御焼香の作法など基本的なマナーは日ごろから身に着けておきたいものですね。