火葬式が多く執り行われるようになってきたのは最近の事なので、地域によっては認知度が低かったり、どういう葬儀内容か分からない方が多いんですよね。
・火葬しかしないのか
・読経や戒名は付かないのか
・費用や流れはどうなっているのか
など、疑問を持つ点がたくさんあります。
この記事ではそんな火葬式を執り行う際に出てくるであろう疑問に1つずつ答えていきたいと思います。
この記事を読めばきっと火葬式についての理解も深まると思うので、火葬式でお悩みなら1度目を通しておいてもいいかもしれません。
直葬(火葬式)の流れ
火葬式の流れはこのようになっています。
1 ご臨終
2 お迎え・安置
3 納棺・出棺
4 火葬
5 骨上げ
6 解散
工程を見て頂くとわかるのですが、お通夜や告別式などの一般的にある工程が省かれていることが分かります。
これが直葬(火葬式)の大きな特徴ですね。
ここから1つずつどのような事をするのか見ていきましょう。
1 ご臨終
亡くなったあとはすぐに葬儀社に連絡をしましょう。
この時、死亡診断書はしっかりと受け取って下さい。
病院から葬儀社を紹介される事もありますが、生前決めていた葬儀社がある場合は紹介を断っても失礼にならないので、断るようにして下さい。
2 お迎え・安置
法律によって亡くなってから24時間は火葬が出来ない決まりとなっているので、寝台車で故人を安置できる場所まで搬送します。
搬送後に葬儀社の担当の方と打ち合わせなどがあるので、誰かしっかりと話の聞ける人と一緒に打ち合わせをするようにしましょう。
3 納棺・出棺
故人を仏衣で包んで棺に納めます。
この時に棺に故人の私物や好きだったものなどを入れる事ができるのですが、入れられない物などもあるので、葬儀社の方に入れる事が出来るかを聞いてみる方が無難ですね。
ちなみに衣類関係はほとんど入れる事が出来ます。
燃やす事の出来るものはほぼ入れられますが、燃えない物はほぼ入れられないと思っていただければといいですね。
生前利用していたメガネやアクセサリー等は棺に入れる事は出来ないものの、骨壷に最後に入れる事が出来る場合があるので、火葬場で担当者に聞いて見て下さい。
4 火葬
ここで故人との最後のお別れをする事が出来ます。
基本的に読経などはしないのですが、お願いすれば読経することも可能です。
ただ、その際には住職に渡すお布施が必要となるので、お布施の準備をしておきましょう。
5 骨上げ
骨上げは納骨のことで、2人1組となって喪主を始めとし、血縁の濃ゆい順に足から順番に遺骨を骨壷に納めていきます。
6 解散
収骨が終わったら解散となりますが、会食をする場合は喪主誘導で会食場所へ行きます。
以上6つの工程が火葬式での流れとなっています。
直葬(火葬式)の費用の平均は約19万円
直葬は、お通夜や告別式の無い葬儀形式なので、費用は一般的な葬儀に比べてかなり抑えられています。
全国の各葬儀の費用を紹介している葬儀レビというサイトで確認すると、このようになっていました。
現在、多くの方が選んでいる「家族葬」の平均費用が約58万円となっているので、その費用の差は一目瞭然となっています。
また、現在直葬を選ぶ方が多いということで直葬を売りにした葬儀社が多く出ているのですが、費用が抑えられている分、不要なオプションなどを付けて葬儀費用を高額にしようとする葬儀社も多くいるようです。
不要なオプションは断ればいいのですが、悲しみに暮れる中、言葉巧みに誘導するようなので、その点は注意した方がいいですね。
悪徳葬儀社に引っかからないようにする為には、信頼の置ける葬儀社にお願いするのが一番ですね。
こうならない為の1番の対策は生前に葬儀の内容と葬儀社を決めておくことだと思います。
直葬(火葬式)のメリットとデメリット
多くの方が選ぶようになってきた直葬ですが、メリットやデメリットも勿論あります。
双方をしっかりと理解して後悔の無い選択をしましょう。
直葬(火葬式)6つのメリット
直葬のメリットは6つ。
・費用が抑えらる
・葬儀時間が短い
・手続きが簡単
・参列者の対応が無い
・香典返しが無い
・宗教的なものがない
この6つが直葬のメリットとして挙げられます。
ここからさらに掘り下げて1つずつ見て行きましょう。
1 費用が抑えられる
直葬はお通夜や告別式を執り行わず、火葬のみで葬儀を終える事が出来るので、他の葬儀と比べると費用がとても抑えられているんです。
2 葬儀時間が短い
こちらもお通夜や告別式を執り行わずに火葬のみで葬儀を終えるので、一般的な葬儀と比べると葬儀時間が短くなっています。
3 手続きが簡単
一般的な葬儀だと逝去してからの葬儀社との打ち合わせがあるのですが、直葬だと火葬のみとなるので、面倒な手続きなどが省かれる形となります。
4 参列者の対応が無い
火葬式はごく近しい近親者のみで執り行う事がほとんどなので、大勢の参列者が来ることが無いのです。
5 香典返しがない
火葬式は参列者がほぼ居ないこともそうなんですが、火葬式は一般的に香典不要となっている事がほとんどなんです。
貰えない訳ではないですが、あっても少額だと思った方がいいですね。
6 宗教的なものがない
火葬式は火葬のみを執り行うので僧侶による読経などがありません。
勿論お願いすれば読経は可能ですが、その際はお布施の準備をしておく必要があります。
直葬(火葬式)6つのデメリットと対策
直葬のデメリットは5つあります。
・親族や周囲からの反感
・悪徳葬儀社の存在
・菩提寺とのトラブル
・最期のお別れをする時間がない
・火葬式後の弔問客の対応
こちらの5つとなります。
こちらも1つずつ見ていきましょう。
1 親族や周囲からの反感
直葬を執り行う上でこれは避けては通れない道かもしれません。
形式や伝統を大切にする日本人は葬儀においてもその考えを貫こうとする傾向があります。
対策としては、遺言書の準備をしておくか、事前に親族や周囲の人に話しておくと揉めずに済むでしょう。
2 悪徳葬儀社の存在
費用が一般的な葬儀よりも抑えられているので、葬儀社としては利益がほとんど出ない直葬。
悪徳葬儀社にあたってしまうと、不要なオプションを付けさせて高額な葬儀費用を請求してくるそうです。
対策としては、事前に信頼できる葬儀を見つけておき相談しておくか、葬儀社との打ち合わせ時に1人冷静な判断ができる人を同席させるのがいいですね。
3 菩提寺とのトラブル
全ての菩提寺がそうという訳ではないのですが、宗教的な事をせず(読経など)にお墓に納骨をお願いすると断られる可能性があるのです。
対策としては、菩提寺に前もって火葬式を執り行うことを話して、納骨の了承を得るようにしましょう。
4 最期のお別れをする時間が短い
火葬式は逝去してから火葬までの工程の中にお通夜や告別式が含まれないので、故人とゆっくりと最期の時間を過ごす事ができなくなっています。
対策としては、お別れの時間が短い事を理解して安置時間に傍に居てあげるようにしましょう。
ただ、葬儀社によっては安置している間は面会不可としているところもあるので、事前に調べておく必要があります。
5 火葬式後の弔問客の対応
火葬式は親族のみで執り行われる事がほとんどで、火葬式の際に参列者が来るという事はほとんどないのですが、火葬式後に亡くなった事を知って弔問に来る方もいらっしゃいます。
対策としては、弔問客が来る事を前提にお菓子やお茶の準備、お礼の品の準備だけはするようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
まだまだ執り行われる件数が少ない火葬式ですが、毎年その件数は増えているそうです。
最期のセレモニーと言われる葬儀なので、しっかりとメリットやデメリットを理解して後悔のない葬儀を執り行いたいですね。